彼等は、音楽誌『スマッシュ・ヒッツ』のライターだったニール・テナントと、建築学を専攻していた大学生のクリス・ロウが、1981年に結成したシンセポップ・デュオです。

1984年、当時はまだ欧州ローカルの流行に過ぎなかったユーロ・ディスコの要素を取り入れた彼等は、ボビー・オーランドのプロデュースでエピックからシングル・デビューを果たしますが全英133位に終わり、続く2ndシングルも散々な結果でした。

1985年にパーロフォンに移籍した彼等は、翌年にデビュー・シングルの再録ヴァージョンを4thシングルとしてリリースすると、レコード会社の大々的なプロモーションもあって全英1位を獲得しただけでなく、ヨーロッパ各国やアメリカやカナダでも大ヒットとなり、一躍世界的な注目を浴びるのでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:キャン・ユー・フォーギヴ・ハー?
M2:いつもはこんな僕じゃない
M3:リベレイション
M4:ディファレント・ポイント・オブ・ヴュー
M5:ドリーミング・オブ・ザ・クイーン
M6:イエスタデイ、ホエン・アイ・ワズ・マッド
M7:シアター
M8:ワン・アンド・ワン・メイク・ファイヴ
M9:トゥ・スピーク・イズ・ア・シン
M10:ヤング・オフェンダー
M11:ワン・イン・ア・ミリオン
M12:ゴー・ウェスト
M13:ポストスクリプト

1993年に発表された、全英をはじめ世界5か国で1位を獲得した3年ぶりとなる彼等の5thスタジオ・アルバム、ペット・ショップ・ボーイズの『ヴェリー』です。

セルフプロデュースによるこのアルバムは、前作よりもポップ、ダンス色を強めていて、オーストラリアやハンガリーでは2位、全米では20位、日本でもオリコン14位を記録して、全英では年間チャートでも29位を記録して、彼等最大のヒットアルバムとなりました。

先行してシングルリリースされたM1(c/wはアルバム未収録)は全英7位を記録、全米ダンスクラブチャートでは1位を獲得する大ヒットとなりました。
そして、アルバムリリース直前にシングルカットされたM12(c/wはアルバム未収録)は、1979年にリリースされたヴィレッジ・ピープルのヒット曲のカヴァーで、フィンランドやアイルランドなど世界4か国で1位を獲得、全英で2位、全米で6位、全米ダンスクラブチャートではM1に続いて1位を獲得しますが、日本ではオリコン91位と、世界の動静とは異なる反応でした。

また、M2(c/wはアルバム未収録)は全英13位、全米ダンスチャートでは2位を記録、M3(c/wは
アルバム未収録)は全英14位、M6(c/wはアルバム未収録)は全英13位を記録しました。

デビュー当初は一発屋の危惧もあった彼等ですが、このアルバムは、時流を読む彼等の先見性を立証した自身に満ちた会心の一枚です。