1960年代のアメリカでの、カウンター・カルチャーの中心地となったサンフランシスコで、一連のムーヴメントの核のひとつとして活躍したのがジェファーソン・エアプレインであり、彼等でした。

ジェファーソン・エアプレインは全米的なヒットを放ち、サンフランシスコ・ロックの位置づけを確固たるものにしますが、一方で彼等はアンダーグラウンド的、カルト的な存在で、地元を除いてはその評価は芳しくはありませんでした。

そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:ゴールデン・ロード
M2:トラッキン
M3:ローズマリー
M4:シュガー・マグノリア
M5:セント・ステファン
M6:アンクル・ジョンズ・バンド
M7:ケイシー・ジョーンズ
M8:メキシカリ・ブルース
M9:ターン・オン・ユア・ラヴ・ライト
M10:ワン・モア・サタデイ・ナイト
M11:フレンド・オブ・ザ・デヴィル

1974年に発表された、全米75位を記録した彼等にとって初となるベスト・アルバム、グレイトフル・デッドの『スケルトンズ・・・ベスト・オブ・グレイトフル・デッド』です。

このアルバムは、全11曲中10曲が既発表曲ですが、その中で異色なのは、1972年に発表したボブ・ウィアの1stソロ・アルバム『エース』の収録曲であるM8でしょう。
そして、唯一の既発アルバム未収録曲であるM9は、1970年にワーナー・パイオニアがリリースしたサンプラー・アルバム『ザ・ビッグ・ボール』に収録されたものです。

彼等の音楽は、レコードよりもむしろライヴ演奏においてその真価を発揮することができ、ヒットチャートとは疎遠な彼等ですが、一度でも彼等のライヴに接した人は、その殆どがたちまちのうちに魅了されてファンになっていくそうで、そうしたファンの中でも特に彼等に魅入られた人々は“デッドヘッズ”と呼ばれ、全米各地のみならず、全世界に無数に存在しているそうです。

音楽そのものを楽しんでいる彼等にとってこのアルバムは、彼等のファンにとってもそもそも不要なものと言える一枚です。