(この記事は2015年5月4日に投稿した記事を加筆修正したものです)


4歳から独学でピアノと作曲を始め、6歳にして自作の演奏会開いたと言われている彼は、高校時代からプロとしての音楽活動を開始しましたが、シンセサイザーと出会うまでは、ジャズバンドで主にピアノやオルガン、ヴァイブなどを演奏していました。


1968年、デミス・ルソスとルカス・シデラスと共に国際的な活躍の場を求めてロンドンを目指しますが、労働ビザ不所持の為に入国を拒否されてしまい、経由先であったフランスに逆戻りとなって留まることを余儀なくされ、やむなく3人はパリで“アフロディテス・チャイルド”を結成するのでした。


そんなわけで、今日の一枚はこちら↓
M1:パルスター
M2:フリーフォール
M3:静かの海
M4:メイン・シークエンス
M5:オリオンの剣
M6:アルファ
M7:核の創生パート1
M8:核の創生パート2
M9:反射率0.39

1976年に発表された、ソロになって4作目のオリジナル・アルバムとなる彼の8thアルバム、ヴァンゲリスの『反射率0.39』です。

このアルバムでは、ジョン・アンダーソンが参加した前作『天国と地獄』とは異なり、幾つかの効果音声を除いて基本的に彼一人で演奏しています。


アルバム・タイトルは、‘地球’を意味していて、任意の非発光物体が光を投射された時にどれ程度反射するかという割合を指す反射率が、完全に反射する物体(鏡)を1.00としたときに、その当時の地球は0.39だったのです。

M1は、かつて、冒頭部のみでしたが日本のニュース番組ではオープニング・テーマとてして使用されていました。
因みに、このタイトルは英語の“Pulsar”(脈動星)と“Star”との彼による造語です。
また、M6は、1980年にアメリカで初放送されたテレビ・ドキュメンタリー『コスモス(宇宙)』で使用されました。


1980年代以降は、ロック・ミュージシャンというより、映画『炎のランナー』や『ブレードランナー』、さらに日本でも『南極物語』のサウンドトラックを手がけた作曲家として話題となりましたが、このアルバムは、ジャンルに当てはまらない彼の作品の中で、数少ないロック色が強いアルバムと言える一枚です。