耳介の腫瘍の続き | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
サ論代理店


おはようございます。ふじわら動物病院、藤原です。
 
前回は、耳介の腫瘍の話をしました。
今回も、耳介の腫瘍の続きの話をします。
 
耳介にできる腫瘍に扁平上皮癌という腫瘍があります。
猫で最も多い悪性の腫瘍で、よくできるところが耳介部になります。
犬の耳介部で扁平上皮癌がみられることはあまりありません。
 
猫の耳介でみられる扁平上皮癌には、日光性皮膚炎が最初にあることが多いです。
紫外線に当たる時間が長くなると日光性皮膚炎になり、その後扁平上皮癌になります。
 
特に白い耳介の猫がなりやすく、青い目を持つ白い猫がなりやすい傾向があります。
白い猫には注意が必要です。
 
よくなったり、悪くなったりを繰り返していき、耳介が厚くなったり、耳介の先端が折れ曲がったり、潰瘍ができたり、かさぶたができたりを繰り返して、悪化していきます。
 
猫の耳介にみられる扁平上皮癌の転移は少なく、限局的に進行することが多いです。
局所への浸潤とリンパ節の浸潤が起こり、最終的には肺に転移することがあります。
 
耳介部を広範囲に切除すると治ることが多いです。
白い耳介の猫では、初期の日光性皮膚の時に外科的に切除するといいです。
 
耳介が白い猫は、紫外線を極力避けて、1日の紫外線のあたる時間を制限してください。
猫は、日向ぼっこが好きですから、窓ガラスにUV加工のフィルムを貼るなどして対応してください。
ただ、全く紫外線に当たらないのもビタミンD合成の問題もありますので、紫外線からシャットアウトしてしまうのではなく、紫外線をあたる時間を短くするとか、当たる量を少なくするなどの工夫をしてください。