犬の薬膳的手作り食を調理の仕方について | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
サ論代理店


犬の手作り食は、いろいろな食材を使って1週間に1回は食材を変えましょう。という話をしました。

今回は、手作り食の調理の仕方の話をします。
手作り食をつくる場合、生食で与えるのか、加熱するのかと言うことがあります。
最近では、酵素の話やローフードの話もあり、生食がいいという話もありますね。

生食と加熱フードのメリット、デメリットの話をします。
それぞれ、生食にも加熱食にもメリット、デメリットがあります。
犬の栄養面や安全面もありますし、人の利便性もあります。
その両方を兼ね備えた理想的なフードはありません。
やはり、メリット、デメリットがあります。

生食の場合のメリット、デメリットで、まずメリットは、祖先が狼であるということで生食が自然であると思います。ビタミンや酵素が壊れたり、流れたり、なくなったりしていないため、新鮮なビタミンや酵素や栄養素を取ることができます。
便が小さくなり固くなります。

デメリットは、生食は調理時間が必要になります。
生肉、生野菜などを調理します。寄生虫や細菌、真菌、ウイルスなどの汚染されている可能性がありますので、よく洗う必要があります。
水道水でよく洗っていただきますが、それでも細菌や寄生虫、ノロウイルスなどが100%除去出来たかどうかはわかりません。
食材が腐敗している場合もあります。肉が腐っていたり、野菜が腐っていたり、魚がくさっていたりする場合もあるかもしれませんので、注意が必要です。
常に生で食べてもいいような食材を用意する必要があります。
生食を与えると体が冷えることがあります。
胃腸が冷えることにより、内蔵が冷えてしまいますので、血流が悪くなったり、消化が悪くなったり、逆に肝臓は温めなくてはいけないので、熱がこもってしまい、体の表面は冷えているのに、体の中は、熱がこもっている状態になったりします。

また、生食の食材がどの程度の栄養素が吸収されたかは、わかりません。

加熱食の場合のメリット、デメリットは、まずメリットは、加熱することにより、寄生虫、細菌、真菌、ウイルスなどの病原体による感染のリスクが減ります。
水分を入れて加熱することにより、野菜などの吸収が良くなります。
新鮮な加熱しても壊れないビタミンや栄養素を取ることができます。
体を冷やすことがなくなります。

デメリットは、加熱するためには、調理が必要になりますし、加熱する時間も必要になります。
加熱することによって、酵素は失われますし、加熱して壊れてしまうビタミンは摂取することはできなくなります。

また、加熱した食材がどの程度、栄養素が吸収されたかは、わかりません。

以上のことより、調理としては、全ての食材を茹でることがいいのではないかと思います。
理由としては、加熱することで、寄生虫、細菌、真菌、ウイルスの感染症によるリスクを減らすことができます。
植物由来の毒素を不活化することができます。
野菜類の繊維を柔らかくすることで、消化をよくすることができます。
青みの強い野菜に含まれるアクを茹でることによって取ることができます。
以上の理由から調理としては、全ての食材を茹でて作ってあげることをおすすめいたします。