涙の数だけ | デザインとアートディレクション

デザインとアートディレクション

デザイナーでアートディレクターの藤田和人です。
名古屋の老舗デザイン事務所 株式会社アトリエシア

過日、二人の取引先社長と話した事。


今の若いスタッフたちの事。

一人目の社長と話していたのは、

特に男子に多く見られるのが「弱さ」だよね。

なんて言うか、強いヤツが今は少ない。色々な意味で強いヤツ。

今は女子の方が優秀な人材が多いよね。

自分で考えて行動して、ホウレンソウも自分から積極的に行ない、仕事を後回しにせずにドンドンどんどんこなして行く。

ある意味、責任感があって自分のやるべき事を知っている。

男子に多いのは、言わないと出来ないしやらない。

解らない事はまず人に聞く、手段を自ら創造しようと言う事が出来ない。

事を後回しにして非効率な作業に追われる、自ら先手先手と事を進める事が出来ない。

結果、打たれ弱いから長く続けられない、要するに無責任。


我々の若い時期は、上から叱られるのが嫌だった、上司にあれこれ言われるのがうっとおしかった、上司やお客様を上回りたかった、だから勉強して勉強して調べて覚えてとにかく早く早く「仕事の上での大人」になりたかった。

キツい仕事、辛い仕事、嫌な仕事、面倒くさい仕事、全てウェルカムで泣きながらやってた。


ザードの詩にもあるように「涙の数だけ強くなれる」って、涙の数だけ自分の引き出しは増えるし、引き出しに入れるモノが増えて行くと感じた。


それが今は涙を流す事が少ないんだろうね。

泣かずに育って生きて来た、周りが全てやってくれたんだろう。

で、結果、自決することが出来ない大人になっている。いや、大人じゃなくて「子とな」だな。


二人目の社長とも同じような話をしたのだけど、勉強になる言葉が返ってきた。

「いやぁ、だからさ、オレは全部指示するよ」

「だってヤツら自分で考えられないんだから、考えようともしないんだから」

「仕事を効率よくするためにオレは事細かに指示して教えるんだ」

「こっちの仕事の足を引っ張りかねないからね」

「今の子は、俺たちの様に育てられていないし」

「お母さんと一緒に仕事すりゃぁイイのに(笑)」


あ~、なるほどね。ソコまで諦めて割り切って考えた方が良いと言えば良いね。

ただ、哀しいなぁ。。。と言うか可哀想だよな。。。


「考えられない、考えようとしない」って言うのは、本人たちにしてみれば考えていると反論が来ると思う。


ただ思うに、本人たちが考えていると思っている事が、実はピントがあっていなくて、やるべき事とかみ合っていない、我々やお客様と同じ方向を向いていない事に気付いていないんだろう。

あ、これは若い子に限っての事じゃないかな、ベテランにもそう言う人がいるから。


もちろん、最初のうちは指示してあげないと出来ないことが多いと思うのだけど、日々成長して行く事が前提だと思う。一年経ったら一年分は成長するってもんだろう。


感じる事は、キツい事、辛い事は、嫌な事は、必ず自分を成長させる。


楽をしようと考えていたら絶対に成長は無い。


涙を流して初めて自分の血肉となる。

(涙を流すって、泣くってことじゃぁないからね。)


涙の数だけ、自分の引き出しも増えるし引き出しに入れるモノが増える。


涙の数だけ「強く」なれる!