深夜2時過ぎにブラジルでの思い出話を書いています。 | 藤田淳士オフィシャルブログ「Beauty Training」Powered by Ameba

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十分に舗装されていない山道を

ヘッドライトだけを頼りにバスが走る。


夜空には満天の星空。

彦麻呂さんなら「宝石の玉手箱やぁ」と叫ぶ風景が広がっている。


バスの窓からひんやりとした夜風が滑りこんできて心地いい。


サッカーの試合の遠征時間片道6時間。

疲れた体を癒やすにはちょうどいい自然療法。


「フジタサン?オキル」

片言の日本語で私の肩を揺さぶるブラジル人のチームメイト、マギノ。

一歳年上の選手だ。


「起きてるで」と言うと

「フジタサン カオ コレ」と

丸い目をわざと細くする。


どうやら、私の細い目は

寝ているように見えるらしい。

なんとも

茶目っ気たっぷりにイジってくるものだ。


そして、事件は起きた。


いつの間にかバスに揺られ

眠りについていた私は

口の中に異物が入っていることに驚き目を覚ました。


慌てて、取り出すと、手で掴んでいたものは「スポンジ」だった。


前の席の背面にあたる革部分が破れ、中のスポンジが飛び出していた。

老朽化したバス。

風に飛ばされ偶然入ったものだろうと。


また、眠りについた、と思った瞬間。

再び、口の中に異物が!


下品にもぺっぺ、加トちゃんペと中のものを出すと

さっきよりも大きいビー玉サイズはあるスポンジだった。


これは非常に不可思議な現象すぎて

当然、マギノ選手を見ると

貸した覚えのない私のウォークマンを聞いてノリにのっている。


「いやいや、マギノ」とスポンジを渡す。


マギノ選手は、

「ナニコレ?」ととぼける。


彼らしいお茶目な逃げ方だ。


「これ、ここから剥がして俺の口に入れたやろ?」

ジェスチャーつきで問い詰めると…


細い目をして私を見る。


「俺に似てるなぁ…ってアホ!」と頭を叩くと

「トライラージ(裏切り者)」とベタに首を横に振る。


「その俺のウォークマン返してから言ってくれ」と抑えておきたいことは伝える。


最後はなんともあっけなかったが

得意の細い目で寝た振りをして様子を見ていると


マギノ選手の魔の手が前の席のシートに……


「起きてるわ!」とスポンジを手にするマギノ選手に突っ込んで

2人は笑って拳をぶつけた。イェーイちゃうで。


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ブラジルワールドカップも間近!

期間中はブラジルでの思い出も更新していけたらいいなと。


よかったら読者登録して見に来て下さいね(^^