先週金曜日に、安倍元総理が凶弾に倒れました。私は、選挙期間中は、疲れから毎晩ベッドに入るとすぐに寝てしまうのですが、この日だけはどうしても、なかなか寝付くことが出来ませんでした。それだけ、安倍元総理は私にとって大きな存在でした。

まず思い起こすのが、平成30年(2018年)10月に統一会派「自由民主党・国民の声」を結成した際に、安倍元総理からかけて頂いた言葉です。憲法改正問題などで私と安倍元総理とは考えが異なるにも関わらず、「政策に強い藤末さんに来て頂いてよかった」とおっしゃって、統一会派を受け入れて下さいました。この一言で、自民党内の空気が大きく変わりました。自分とは異なる考えをも受け入れる度量に、歴史に残る宰相の器の大きさを実感しました。

もう一つが、令和3年(2021年)2月に、米国のローラバッカー元下院議員とのTV面談を引き受けて下さったことです。外交・安全保障問題に造詣の深いローラバッカー元議員との間で、日米で連携して日露平和条約を進めていくというアイデアや、インドとの経済協力を通じて日米印のつながりを強化していくことなどを議論されていました。憲政史上最長の総理大臣としての経験を活かして、最後の最後まで、民主主義国同士での連携強化を通じた世界平和の実現に尽力されていた姿を、まるで昨日のことのように思い出します。

このほかにも安倍総理との思い出は尽きず、日本にとって本当に大事な方を失ってしまったという悲しみが、私の胸中を離れることはありません。今はただ、微力ながら、こうした安倍元総理の思いを少しでも引き継いでいきたいという思いです。どうか安らかにお眠り下さい。