2021年通常国会においても、「メディア芸術ナショナルセンターの整備及び運営に関する法律案(略称:MANGAナショナルセンター整備運営法案)」の成立を実現できませんでした。

反対する政党を説得できなかった自分自身の政治家としての力不足を深く痛感しました。関係者や本センターに期待される方々に深くお詫びを申し上げます。

 

このセンターは、災害や事件、相続などで喪失・散逸する可能性がある漫画やアニメの原画やゲーム(できれば特撮も)を保管し、日本の文化を後世に伝えるとともに、漫画、アニメーション、ゲームといったコンテンツ・文化産業の国際競争力の強化を通じて我が国の経済活力の向上に資するものです(法案から抜粋)。

その必要性は理解いただくものの、組織や制度の法的な構造について納得を得ることができない、うまい調整案を見出せない状況です。

 

ただ、このままMANGAナショナルセンター整備運営法が成立するのを待つわけにはいきません。漫画やアニメーションの原画を保管・保存することは急を要します。

そこで、文化庁を中心に「メディア芸術連携基盤等整備推進事業のネットワーク」が動き出しています。私はこれを「メディア芸術ネットワーク」と呼んでいます。

 

これは動き出したばかりの事業で

『産学官(館)の連携のもと、マンガ、アニメ、ゲーム等メディア芸術作品・資料の収集・保存・活用に向け、課題解決のための調査研究(ノウハウ共有・アーキビスト育成等)を実施するほか、保存・活用に関する情報拠点の整備に資するため、データベースの充実・機能拡充を進めるとともに、所蔵館等におけるアーカイブの取組を支援し、散逸・劣化の危険性が高い作品等の保存・活用を促進する。(政府資料より)』

ことを目的としています。

 

国内の様々なメディア芸術関連機関がネットワーク化され、分散型で貴重な文化資産を守ろうとする事業です。これを何としても進めていきます。

まだ、予算額も少ないですが、MANGAナショナルセンターが設立されるまで、このネットワークを広げ、強固なものになるように応援していきます。

 

このネットワーク構想の基盤となるのがマンガ、アニメーション、ゲーム、メディアアートの作品情報等を収録した「メディア芸術データベース」です。

徐々にですが、文化庁を中心に開発を進めています。


 

メディア芸術データベースのベータ版も作られています。まだコンテンツが入っていませんが、英語・中国語・韓国語でも情報発信するように設計されています。

 

 

MANGAナショナルセンター整備法案の成立には、引き続き全力で当たります。

一方で、このような地道な取り組み・事業も進めていきます。

皆さまの応援をよろしくお願いいたします。