7月16日、秋葉原にあるNTTe-Sports社の国内最新鋭のe-Sports施設である「eXeField Akiba」を視察させていただきました。

NTTe-Sportsは2020年1月31日に、NTTの持つICTとe-Sportsを通じて地域活性化を中心に様々なことに挑戦していくために設立された会社です。
そのための一つの拠点として、2020年8月11日に、このeXeField Akibaを開設されました。

NTTe-Sports社の代表取締役副社長の影澤さんと小里さんにご案内いただき、まずは施設内を見学させていただくことに。

影澤副社長はご自身がプレーヤーとしても活動され、またイベントの主催やゲーム実況などもされている筋金入りの方です。


施設は4つのエリアからなっており、e-Sports大会のメイン会場やトレーニング施設、配信スタジオといった用途からセミナーやテレワークスペースとしても使える「プレイエリア」、ゲームイベントなどをオンラインで全国各地はもちろん世界中に配信することができる「配信エリア」、最先端の技術・設備やデバイスをショールーム的に見たり触れたりすることのできる「ICTエリア」、フードやドリンクも楽しめる「カフェエリア」があります。

(会場レイアウト。画像は公式サイトより引用)

 

一般的なe-Sports施設との大きな違いとして、まず色の基調を白をベースとした明るい開放的な空間としているところであり、一般的なPCバーのようなイメージではなく、ショールームやラボのようなイメージの空間をつくっているとのこと。

 

まずはICTエリア。

最新のICT機材が展示され、実際に体験もできるようになっています。また、最新のeSportsギアも販売されており、今後ますます多くの商品開発が行われていくというワクワク感がありました。

 

当然のようにローカル5Gのシステムが設置されています。

 

最新のゲーミンググラスもNTTe-Sports社が開発。マスクとヘッドセットをしながらでもストレスなく掛けられるようになっています。

 

また、地方自治体と連携協定を結び、まちづくりの中にe-Sportsを組み込んでいく取り組みを行っていたり、大学のスポーツ科学の研究者と一緒に、ゲームが身体や脳に悪いという説への反証のための研究を行ったりされているとのことであり、まさに某県の某条例と異なり、科学的にゲームの有効性を証明しようという取り組みをされていることに、全力で応援させていただきたいと思いました。

 

次に配信エリアです。

配信エリアの横には大型のサーバーがあり、音声や映像をクリアに届けられる設備が整えられています。

ネットワークサーバーは、1ギガの回線を13本と10ギガの回線を1本入れているそうです。

 

配信エリアには最先端で充実した配信機材・IPプロダクションが完備され、オンラインイベントなどを配信することができるスタジオとなっています。

通常のイベントであれば、裏方的なスペースになりますが、ここではその裏側をオープンで見せることにより、実際にイベントを主催したいと考える人や、学生などの社会科見学にも使われているそうです。

2020年のゲームショウも一部ここから配信されていたそうです。

 

プレイエリアには、幅6.7m×縦2.4mの超大型高精度LEDパネルが設置され、間近で見ても非常にクリアな画像が見られます。

4Kにも対応しているため、例えば音楽ライブや映画、スポーツ観戦なども楽しめるそうです。

 

ゲーミングPCやヘッドセットも当然ながら専用で高品質のものですが、特に力を入れられていたのが、特殊な三角形のデスクとゲーミングチェアでした。

デスクが三角形であることで組み合わせ次第でイベントの目的に合わせて様々なレイアウトが可能となります。

また、ゲーミングチェアも長時間座っていても疲れない設計となっているそうです(実際、座り心地は最高でした)。

 

最近では、テレワークスペースとして使用される方もいらっしゃるそうで、仕事を早めに切り上げてそのままゲームをしたりするという使い方もあるとのことでした。

 

そしてカフェエリア。

現在はコロナ対策のため、アルコールの提供は自粛されているそうですが、ゲームをやりながらドリンクを飲んだり、食事を取ることができ、イベントではさながらクラブのような感覚で楽しむことができそうです。

 

銀座スエヒロとのコラボメニューもあり、影澤さんのお勧めはカレーとのことでした。

ちなみに、現在はランチパックの設定があり、ランチとドリンクに1時間分の利用料がセットで1,000円(!)とのことでした。

実際に、同じビルに入っている会社に勤めている方が利用されたりもしているそうです。

 

視察をさせていただき、ゲームに特化した施設ということではなく、本当に多目的な用途で活用できる交流施設、イベントスペースであることがよく分かりました。

今後、ますますe-Sportsはグローバル展開していくことになりますので、その拠点としても大いに活躍してくれるものと期待が膨らみました。

 

施設見学の後は、経産省の担当者や業界団体の方も交えて意見交換を行いました。

 

意見交換では、

・トップを高くするのも必要であるが、裾野や中間層を広くするのが重要。そのために、ビジネスマン/ウーマンが参加するe-Sportsイベントを進めている。

 

・日本では刑法や風適法の関係で高額賞金の大会開催が難しい状況にあり、日本のプロe-Sportsプレイヤーで1億円超えは、ふぇぐ選手1名のみ。

ちなみに、世界トップの選手はノルウェーのN0tail選手で、なんと$6,983,817.80(約7億円)もの賞金を獲得しています。 

日本でも地方創生、地域振興の観点から、e-Sportsの国際大会の誘致をしたいという声がありますので、政府や業界団体などと連携して、環境整備を進めていきたいと考えます。

 

・リアルの平和の祭典がオリンピックであるならば、このコロナ禍において、「国境がない」、「言語や文化を超えた」、「ゲームによる平和の祭典」を日本が開くべきであるとの話で盛り上がりました。

是非、集まったメンバーで実現していきます。

 

影澤さん、小里さん、貴重な機会をありがとうございました!