終戦から75年が過ぎました。

戦争で失われた国内外の多くの御霊に哀悼の意を表します。

そして、平和への誓いを新たにしたいと思います。

 

残念なことに、コロナ禍の中、全国戦没者追悼式の参列者が昨年の1割に制限されました。

第二次世界大戦で亡くなった日本人は民間人を含め約310万人、アジア全体で2000万人、世界5000万〜8000万人とも言われます。その悲惨さや苦しみを後世にきちんと伝えることを続けなければなりません。

戦争を止める力になると確信します。

 

新しい時代に世界の平和をいかに築いていくか。

コロナ禍は、第2次世界大戦以来の国難となりつつあります。世界で「自国第一主義」が強まるなか、大戦の教訓を改めて見つめなおす時だと考えます。

 

「自国第一主義」、世界の政治がポピュリズム化しつつあることに懸念を感じます。

政治が国民をいかに扇動するか、世界の政治はポピュリズムを超え、扇動政治(デマゴーグ)に向かっているようにも感じています。

 

筒井清忠氏の名著「戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道 」では

1933年に、松岡洋右外務大臣が国際連盟からの脱退を宣言したとき、如何に当時のメディアや日本人がそれを歓迎したかを書いています。『日本と連盟遂に事実上絶縁 42対1で総会報告書採択 我代表席を蹴って退場 歴史的総会の大詰め』、『連盟よさらば! 遂に協力の方途尽く 総会、勧告書を採択し、我が代表堂々退場す 四十二対一票、棄権一』などが当時の新聞の見出しです。

また、1937年の日中戦争勃発時に、軍部による戦線の拡大を許し、大政翼賛会を作った近衛文麿首相に対する国民の熱狂的な支持。これに応えるため近衛首相は活動が制限されたとの話には、現在にも内在される危機を感じました。

本書は「満洲事変とマスメディアの変貌」、「五・一五事件裁判と社会の分極化」、「天皇機関説事件」などについても書かれています。なぜ日本が無謀な戦争に突入していったか。ある一面だけを捉えたものかもしれませんが、学ぶべきところは多くあると思います。

 

コロナ禍により、わが国の経済は大きく痛み、失業も急増し、社会も大きく痛む可能性は高いと見ています。

そのよう中でも冷静に日本の進むべき方向を示し、そして進むように、心して最善を尽くしていきます。