2020年1月12日から16日にかけて、アメリカとイランの間を日本が平和的仲介をできないかを調査しに行きました。

以下、その概要です。

 

1.CSPC (Center of Study for Presidency and Congress)

【面会者】

ž   CSPC代表 Glenn Nye元下院議員

ž   ジャパン・ソサエティ理事長 Joshua Walker博士

【組織概要】

ž   CSPC:大統領府と議会(Congress)の政策立案の党派によらない中立のシンクタンク

米国連邦議員との深い関係を有している

ž   ジャパン・ソサエティ:アメリカにおける日本政策専門のシンクタンク

【議論概要】

2つのシンクタンクのトップに会い、「アメリカとイランの関係調整に日本が貢献することはできるか」と質問したところ、「日本は西側諸国の中でもイランとの信頼が高い国だと理解している。また、宗教的な摩擦も少ない。何らかの貢献は可能だと考える。」としながらも、「アメリカ国民は大使館人質事件以来、イランに対する不信感は非常に高い。その点を理解しなければ、なかなか仲介は難しい。」とのアドバイスを得る。

日米の議員の交流を図るため、430日に両国それぞれ3名の議員が参加するカンファレンスの開催に合意。テーマを「日米の平和協力」や「イノベーション協力」にできないかと考えている。

  

 

2.CSISCenter for Strategic and International Studies)

【面会者】

ž   CSIS上級副社長兼技術政策担当 Dr. James Andrew Lewis

【組織概要】

ž   防衛、外交、国家安全保障などで特に評価の高い超党派のシンクタンク

【議論概要】

「日本のアメリカとイランの仲介は非常に難しいのではないか」との回答。

逆に「アメリカと日本が連携し、中東の安定化を進めるべきではないか」とのアドバイスを得る。

  

 

3.CEIPCarnegie Endowment for International Peace)

【面会者】

ž   CEIP上級研究員(アジア担当) Mr.James L Schoff

【組織概要】

ž   国際相互理解と世界平和の推進を目的に設立された事業財団

【議論概要】

「アメリカとイランの仲介を日本が行うことに期待をするが、非常に困難を伴う」との説明あり。

4.パロアルトネットワークス(Palo Alto Networks)

【面会者】

ž   国際政策担当副社長 Mr. Ryan Gillis

【組織概要】

ž   150ケ国以上の様々な業界で65,000件を超える顧客を擁するサイバーセキュリティ関係の民間企業。

【議論概要】

Mr. Ryan Gillisは、安全保障政策、特にサイバーセキュリティに関するエキスパートであり、アメリカにおけるサイバーセキュリティの日米協力の状況などについて情報交換を実施。

 

  

 

所感

ž   今回のワシントンD.C.における関係各所との意見交換で、アメリカ国内におけるイランに対する不信と敵対心の大きさを強く感じた。

ž   今回の対立はアメリカの自制的な動きもあり、当初懸念されていた程の対立拡大とはならなかったが、火種は残っており、注視が必要。

ž   安倍総理の中東諸国訪問は、事態のさらなる悪化を避けるための外交努力の一環として首脳レベルでの率直な意見交換が行われたこともあり、評価されている。