今回の英国視察で感じたことが以下の3点。

1.BREXITを控えたイギリス政府が国の主力産業である「金融産業」の育成のため、Crypt Asset 関連ビジネスの育成を本格的に推進しようとしている。このため、年内にもCrypt Assetに関する法整備を行おうとしている。日本政府としても独自に法整備を行うのではなく、イギリス、アメリカなど海外との法制度の調和を進めるべきである。国際標準を握った国にCrypt Asset(仮想通貨)ビジネスが集まり、資金や情報の流れをコントロールするようになる。投資家保護だけでなくイノベーション推進・産業育成の考え方を中心に置くべきである。

 

2.本資料にあるETORO、CEXといったCrypt Asset関連2社以外にThisPlace(スマホインターフェイスの設計), FintechLabo.io(オープンAPI関連)といったロンドンのスタートアップ企業と面会した。彼らの共通点は「当初から世界市場をターゲットにしている」ことであった。イギリス国内の市場が小さいため、当然のことである。しかしながら、イギリスと同様に少子化により国内市場が縮小する我が国のスタートアップ企業で当初から世界を視野に入れている企業は少ないと感じる。日本のスタートアップ企業も当初から世界展開を計画するように支援・誘導すべきである。

 

3.本資料に記載した教授以外にもオックスフォード大及びケンブリッジ大学の名誉教授にお会いした。彼らとその学生から感じるのは、オックスフォード大学と東京大学の大きな格差である。国際ランキング5位以内と30位レベルを比較することに無理がありかもしれないが、オックスフォード大学が世界から人と情報を集め、イギリスの国力に大きく貢献していることを痛切に感じる。国際競争力の要としての大学の役割を明確にした上で、我が国も東京大学をはじめとするトップクラスの大学に資金的投資を増やし、また、大学運営の自由度を増やし、少なくとも世界トップ10に1校、トップ100校に10校はランクインするように明確の目標を設定すべきである。

 

以上のように色々と政策的にも考えさせられた。イギリス出張となった。