明日8月15日は73回目の終戦記念日です。

73年前、多くの尊い命が犠牲となりました。

その御霊を慰霊するため、新宗教政治連盟(新宗連)青年部会により、宗派を超えた慰霊と平和祈願の式典が毎年千鳥ヶ淵戦没者墓苑において行われており、私も参列させて頂きました。

 

式典の冒頭、特攻隊員として命を失われた穴沢俊夫大尉の話がありました。

終戦直前に婚約をされ、婚約者から贈られたマフラーを首に巻きながら特攻に出撃し、残された婚約者は穴沢大尉の煙草の吸殻を形見として持ち続け、亡くなられたというお話でした。
この話が非常に印象深かったので詳細を調べますと、穴沢大尉が大学在学中に婚約者となる千恵子さんと出会い、手紙のやりとりばかりで愛を育んだということです。
穴沢大尉は、軍隊入隊のため大学を繰上卒業となり、その後、特攻隊に選抜されました。
二人は家族から結婚を反対されていましたが、穴沢大尉が特攻隊として死ぬ前に結ばれたいと両親を説得し、婚約しました。

 

しかしながら戦況が悪化し、ついに特攻の日が来てしまいました。
出撃直前に書かれた穴沢大尉の最後の手紙には、千恵子さんへの愛と感謝が綴られた後、次のことが書かれていたそうです。
 
『勇気をもって過去を忘れ、将来に 新活面を見出すこと。
 あなたは今後の一時々々の現実の 中に生きるのだ。』
 
千恵子さんはこの話を公にするかずいぶん悩まれたそうですが、最近の戦争や特攻を美化する動きに対し、実際の戦争を知ってもらいたいと考え、公にされたといいます。
今ある平和は当たり前にあるものではなく、73年前の尊い犠牲のもとにあり、そして守り続けてきたものです。
戦争を経験された方がなくなり、戦争の記憶が遠くなる中、私たちは平和というものをより深く考えなければならないと思いました。