解剖学者で脳発生学の第一人者である友人から、
トランスジェンダーが産まれる機序を詳しく聴く機会があり、
大変衝撃を受けてからすでに2ヶ月が過ぎました。
この間、自分ではなかなか消化できずにいましたが、
現在は少しずつ理解が深まっています。
性別は卵子と精子が受精した瞬間に決まりますが、
心の性別は胎生12~22週の頃に起こるとされる
男性ホルモン・シャワーによって決まります。
その時期の胎児の脳は、性的に未分化な状態。
男性ホルモンの作用を受けて初めて男性化します。
この男性ホルモンはは胎児自身の精巣から分泌。
女子には精巣がないので脳も女性化するそうです。
男子でも男性ホルモンが十分働かないと脳が女性化。
遺伝子上の性別との不一致を招くことになるのです。
このような場合、
小児期の脳は男性化しないで育ってゆきます。
(脳の性差が解剖学者の専門領域)
胎生期だけでなく、
思春期も脳の性別に大きな影響を及ぼすことが
最近徐々にわかってきているそうです。
思春期は性ホルモンの分泌が盛んな時期。
心身ともに大人の男性、女性へと変わります。
この時期に分泌される性ホルモンの働きによって、
脳も男性脳、女性脳へとさらに発達します。
以上をまとめると、
①遺伝子(染色体)によって男女の外観上の性別がまず決定
②胎児期に男性ホルモン・シャワーによって心の性別がある程度決定
③思春期の性ホルモン・シャワーによって、大人の男性、女性へと分化
普通に考えると当たり前のように思われますが、
脳の性分化に関しては不明点も数多くあるそうです。