おそらく今現在、日本で誰も読んでいないであろう本を買った。

 

 

ふと気付いたが売りに特化した本がとてつもなく少ない。どれもこれも買いに関する本で巷はありふれている。ということで大変希少な本だと思う。

 

いくつか内容を引用してまとめとして感想を述べたい。

 

 

ここの売買でいくら儲けるかよりも、元金を無事に回収することの方がはるかに大切なのである。

p33より引用

 

誰も彼も含み益を自慢する。しかしながら大事なのは売りを確定し取引を完了し、元金をしっかり回収することだ。そうでなければ含み益は絵に書いた餅に過ぎない。

 

 

 

利食いの時は、売った後で暴騰してもいいという気持ちの逃げ場が必要になる。

p182より引用

 

大抵、売ったあとは株価は上がっていく。なぜなら株価が上がっているときに利食うのであり自分が売ったから下がるなんて都合のいいことはない。なので自分が売ったあとは株価が上がっていくのは当然なのである。

 

 

 

(前略)しかし上がっている所の売り、下がっている所の買いは恐ろしい。

p186より引用

 

著者は安心できる取引は失敗すると言っている。上がっているところで売るのはその後の株価の上昇の利益を取り逃すことになる。なのだが著者は確実に利益を得ることを推奨する。これを欲張ると一転株価が反落し結局、利益が減るか最悪マイナスになってしまう。

 

下がっているところで、つまり暴落しているところで買うのは大変勇気がいる。しかし株価が大幅に下落しているため安く買えるのでのちのち大きな利益になる。上がっているところの売りも、下がっているところの買いもどちらも不安なものである。でもこういう不安な取引が結局は一番安定している。

 

 

 

読後の感想なのだがこの本には根拠もデータも何もない。著者の今までの経験をまとめて書いておりまるで小説を読んでいるようだった。たまにはこういう本も面白い。そして比較的短期の取引を対象としているので長期投資の方は自分なりに少しアレンジして読む必要がある。

 

とはいえ売りに関する知識・技術が自分にとてつもなく少ないという事実に気づいた。この本を読めばある一定の売りに関する基準ができるにちがいない。著者が強く主張しているのは売ったあとは株価が上がっていっても気にするなということ。それは当たり前のことでありほどほどで利益を確定することが本当に大事だよ、と伝えている。

 

この本を読むことによって自分の中で買いとともに売りというもう一つの意識が芽生える。その芽生えを生じさせることが大事だ。売りに関する意識が少ないと気付いた人は是非買って読んで欲しい。面白いことにこの著者は「買い」に関する本も出版していた。勢いで買ったので次回あたりに紹介したいと思う。