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2014年9月下旬。

当時私は、大学在学中から7年間勤めてきた学習塾を退職し、フリーの家庭教師をしていました。

そんな私に、登録をしていた家庭教師の仲介業者から電話がかかってきました。

 

「このタイミングで、中3生をお願いすることは出来ますか」

 

もう既に9月が終わる頃。

受験は2月。どんなに頑張っても指導は4ヵ月ほど。

一瞬頭が「断る口実」を探しました。

 

通常学習塾では、夏休みを終えてからの新規中3生はお断りします。

事情を聞けば、やはり依頼者も「学習塾では断られた」とのこと。

 

更に業者からは

「あまりに成績が良くないので、断っても大丈夫です」

と言われるぐらい、絶望的な状況の様子。

 

(あぁ、きっと他の家庭教師もこの流れで断って、私の所に回ってきたんだな…)

(そして業者も「断る口実」を探しているのかな)

と推測しました。

 

私の口からも「いやぁ~」と言葉が出そうになったとき、

依頼者であるお母さんからの問い合わせ内容を聞き、心が動かされました。

 

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夏休みが終わって突然「〇〇高校に行きたい」と子どもが言い出しました。

私達は自営業で、成績が悪くてもさせる仕事はあるからと勉強を無理強いさせませんでした。

しかしこのタイミングで言われ、びっくりしています。

子どもが勉強に関してそんなことを言ったのは初めてのことで、

頑張りたいと言った子どもの背中を何とか押してあげたい。

しかしどこの塾にも断られ、どうすれば良いのか分からず困っています。

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これを聞いて私は

(子どもの話も、お母さんの話も本当なら、絶対に力になろう)

と決心し、まずは会ってみることにしました。

 

綺麗事を言いますが

子どもが勉強したいと言っていて、

お母さんが助けてあげて欲しいと言っているのにも関わらず、

入塾を「中3のこの時期だから」と断る学習塾は、

皆軒並み潰れてしまえばいいとこの時思いました。

 

仲介業者も「断ってもいいですよ」なんて、よく言えたもんだ。

 

 

そして実際にお会いし、お母さんから出された模試の結果は…。

 

 

 

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