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英国航空の二人の白人CAが、私たちアジア人の容姿を嘲(あざけ)る動画をTikTokにあげ、英国航空から解雇されたそうですね。


この人種差別の件を知って憤慨した日本人女性のブログを読みました。

そのブログ記事は、写真公開されていたそのCAの顔に対して、「こんな底辺ブ◯に言われたくない!」と憤慨していました。

私たちアジア人を嘲った白人CAは、人間を容姿で序列化し、アジア人を自らの白人たちより格下と見ているわけです。

一方、先ほど紹介したブログを書いた日本人女性も、人間の価値を容姿で序列化しています。

相手の容姿を蔑(さげす)んで傷つける差別用語を平気で使っています。

容姿攻撃されたので容姿攻撃でお返しをしたという、単なる「売り言葉に買い言葉」の乗りだとは理解しています。

そうは言っても、差別用語を無神経に使っている点で、その日本人女性も、白人CAたちと五十歩百歩だと感じました。

経験がないせいなのか、普段、こうした差別用語で傷ついている方々の痛みに対する想像力を欠いているようだからです。その冷淡さ、下品さが白人CAたちと変わらないように思えたのです。

とにかく、人の容姿を嘲る差別用語を自ら使う人が人種差別を批判しても説得力がありません。

日本国内でも「顔面偏差値」などという表現で容姿を序列化する日常的な容姿差別があります。

私には、こうした日本国内の容姿差別も、白人の人種差別意識とそう変わらないように感じます。白人の人種差別だけが悪いとは思えません。

容姿限定の話ですが、タレントやモデルなど、日本では「ハーフ」は別格扱いされ、チヤホヤもてはやされます。

ハーフは、二つの異なる文化背景を持ち、視点が貴重なので、チヤホヤされるのでしょうか?

だったら、有色人種である日本人と有色人種の外国人とのハーフも、チヤホヤされるはずです。

二つの異なる文化背景を持つことが日本でハーフがチヤホヤされる理由なのでしょうか?

もし、そうなら、日本人と白人とのハーフは、白人社会でも同様にチヤホヤされるはず。

しかし、日本ではチヤホヤされるそんな白人系ハーフも、白人社会では単なる「アジア人」扱いです。

差別されることはあっても、ハーフだという理由でチヤホヤされることはありません。多くの日本人が知らないことです。

以上のことから、日本でハーフがチヤホヤされる理由は、恐らく、単に容姿が「白人とのハーフ」だからと考えられます。ハーフが二つの文化背景を持っているから、などは真の理由ではないでしょう。

普段、例えば、そのようなハーフのタレントなどに無邪気に憧れ、チヤホヤもてはやすのが一般日本人です。

そんな日本人も、容姿を序列化している点で、二人の白人CAと同じ価値観を共有する同じ穴の狢(むじな)では?

つまり、白人系容姿崇拝の日本人たちに、白人CA二人を偉そうに批判する資格があるのでしょうか?

見下すことも
憧れることも
方向が逆なだけで
どちらも同じ人種差別
なのでは?