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(C)フジテレビ

ミステリと言う勿れ

から

 

日本のドラマは、韓ドラに比べてあまり面白くない、と私は思い込んでいました。

 

『ドクターX』、『私の家政婦ナギサさん』、『逃げ恥』、『ラジエーションハウス』等は好きでしたけれど。


『日本沈没』も、通常の範疇の日本のドラマとは違い、それなりに楽しめました。


ただ、一般論としては、日本のドラマは、なんというか、どんなものも、ありきたりで単調で地味という印象。

 

韓ドラと違い、毎回、毎回、既成概念の枠内にちんまりと収まるワンパターンを繰り返すだけというか。意外性や驚きに乏しい印象でした。


ところが、私が全くマークしていなかった『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)を見終えた家族に勧められました。

人気コミックが原作らしく、有名なのでしょうが、私は全く知りませんでした。

 

ノーマークで録画していなかったので、TVerで覗いてみました。

見た印象は、ズバリ、今、ハマっているNetflixの『
イカゲーム』より面白かったです。

 

ですから、もちろん、次回分から毎週予約録画をセットしました。

イカゲームは、奇抜な発想とゲーム会場の大掛かりなセットで見せますが、『ミステリ』は、第1話の印象では、会話内容で見せる、という印象でした。

 

私同様、『ミステリ』の知識が皆無な方に紹介しておきます。主人公は菅田将暉が演じる「久能・整(くのう・ととのう)」という変人・大学生です。

 

私も幼少の頃からずっと、社会人になってからも、周囲から変人として煙たがられてきました。その点では、久能に共感します。

 

久能のようなスルドイ洞察力は、私には無縁ですけれど。

 

第1話は、やってもいない殺人の容疑で久能が警察署に任意同行で連れられていくところから始まります。

以下、私が面白かった会話の要約を抜粋、紹介します。

【警察署内の取調室で】

刑事:君はなかなか落ち着いてるな。殺人の疑いをかけられているのに。


久能:何もしていない僕を冤罪に落とし込むほど警察はバカじゃないと思ってますから。


それともバカなんですか?


【典型的な男性社会のような部署で、女性一人だけで馴染めず退職しようかと迷っている新人婦警。雑用ばかりで自分の存在意義を見いだせず悩む。そのことを見透かして久能が助言する。】

 


 

久能:僕は偏見の塊で、だいぶ無茶なことを言いますが、オジサンたちって、特に権力サイドにいる人たちって、徒党を組んで悪事を働くんですよ。

 

都合の悪いことを隠蔽したり、こっそり談合したり、汚いお金を動かしたり。

 

そこに女の人が一人交ざっていると、オジサンたちはやりにくいんですよ。

 

悪事に加担してくれないから。

 

鉄の結束が乱れるから。

 

風呂光さん(新人女性)の存在意義って、それじゃないですか?

 

オジサンたちを見張る位置。

 

男の人たちに交ざれないって困ってるんでしょうけど、あなたはオジサンたちと違う生き物なんだから、違う生き物のままでいいんですよ。


【オジサン刑事との会話】

オジサン刑事:凶器が出た。お前の指紋がべったりついた果物ナイフだ。そのナイフに付着した血液が被害者のものと一致した。


久能:僕はバカなんですか?

 

自宅にある自分の指紋のついたナイフを使って、その指紋を拭き取ったりもせず、手袋もせず人を刺して捨てたんですか?


でもこの場合、二通り考えられますよね?

 

一つは、僕が自分のナイフを使って人を刺した場合。


もう一つは、誰かが僕のナイフを盗んで手袋でもして人を刺した場合。


この二つは同じ結果になります。

 

その違いをどうやって見分けるんですか?


【オジサン刑事との会話。家庭を全く顧みず、子供にも寂しい思いをさせ、仕事ばかりやってきたオジサン刑事の生き方を久能が批判する。すると、興奮したオジサン刑事が久能の襟に掴みかかり、】

 


 

オジサン刑事:お前に何が分かるんだ?!

 

チャラチャラして生意気で偉そうで。


親のスネかじってぼんやり生きてんだろ?

 

命削って働いたことあんのか、お前?ああ?

 

妻や子を持ったこともないお前に何が分かんだ?


久能:分かりませんよ!

 

僕は確かに親のスネかじりで働いたこともなく、妻も子供もなく、ぼーっと生きてます。

 

ただ、僕は子供を持ったことはないですが、子供だったことはあります。

 

親になると忘れてしまうのかもしれませんが、僕は今、子供の立場で物を言ってるだけです!


【久能自らの推理で冤罪を証明し、取調べから解放される。久能の推理力に舌を巻いた若い刑事が、後日、久能のアパートを訪ねる。出産直後の自分の妻と夫婦仲がうまくいかないその若い刑事は、久能に助言を求める。】

 


久能:僕は、たまにメジャーリーグの中継を見てるんですけど、メジャーリーガーや監督は試合を時々休むんですよ。

 

奥さんの出産はもちろん、お子さんの入学式や卒業式、家族のイベントで休むんですよ。

 

彼らは立ち会いたいんです。

 

行かずにはいられるかって感じで、行きたくて行くんです。

 

でも、その中継番組の日本人解説者がそれについて、「きっと奥さんが怖いんでしょうねぇ」とか言うんですよ。

 

日本人の解説者たちには、メジャーリーガーが行きたくて行ってるってことが、理解できない。


なぜなら、自分はそう思ったことがないから。

 

無理やり行かされてると考える。


大切な仕事を休んでまでと。

 

メジャーリーガーは、子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い、日本の解説者たちは義務だと思っている。


そこには天と地ほどの差があるんですよ。池本さん(若い刑事)はどっちですか?
 

 

いかがでしょうか?私が面白いと感じた会話に、皆さんも少しは面白いと感じたでしょうか?


実を言うと、私が『ミステリ』を面白いと思った理由は、久能の言葉だけではありません。


ストーリー展開が奇抜で、視聴者の先読みを全く許さない点も理由の一つです。

 

ちなみに、オジサン刑事を演じていた遠藤憲一さんも光っています。


 

遠藤さんは、最近、『ドクターX』でコミカルなキャラをやらされていましたし、『ラジエーションハウス』でも、ちょっと気さくなオジサン、という役どころでした。

 

しかし、『ミステリ』では、遠藤さん本来のあの悪役面が100%活かされ、渋い刑事役にピッタリでした。

 

宇宙人のような変人「久能」と、オジサン刑事の気迫との対比が素晴らしかったです。

 

【終】
 
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