【このブログは、過去の記事を含め、読みやすくするために常時、推敲しています。】

 

【出典:かわいいフリー素材集
いらすとや 」さん
からの引用です】

 

私は、今年1月に涙道閉塞(通称:涙目)という眼の病気で手術しました。

 

涙が鼻へ流れ出るための通路(涙道)が閉塞して、悲しくもないのに涙が目からあふれ出る病気です。

 

涙道内視鏡を涙道に挿入してもらい、内部を観察しながら、閉塞部分を切開する手術です。

 

幸い、完治しましたが、術後ケアとして、現在、2ヵ月毎に、手術した眼科に通っています。

 

手術は局所麻酔のため、手術中は医師と会話していました。

 

手術の際、眼科医が私に指示するために発した次の表現に違和感を覚えたのです。

 

「上を見てください。」

 

普段から私が色々質問しても、不機嫌になったりせず、丁寧に説明してくれる女医さんです。


私の人生経験では、例外もありましたが、概して男性医師より女医さんの方が患者とのコミュニケーション能力が優れているような気がします。


患者の話をよく聴くという理由からではないでしょうが、Best Doctorにも選ばれている名医です。

 

涙道閉塞の手術ができるのは、眼科医50人の中で一人位らしいです。それほど専門性の高い手術なのです。


自宅から電車で1時間近くもかかる遠い眼科ですが、ネット検索で見つけた専門医でした。


昨日、術後ケアのため、ベッドに横たわったとき、その女医さんが、また同じ表現を使ったのです。


「上を見てください。」


手術中にも受けた私の違和感を思わず正直に告白してみました。


幸い、その女医さんは、私の違和感に関する説明にとても感心されていました。

 

もちろん、社交辞令半分でしょう。しかし、その様子を見て、この件は全国の眼科医の皆様にも伝えたほうがいいかも、と思ってこれを書いています。

 

私が違和感を覚えた表現とは、手術中にベッドで横たわっているときに言われた

 

「上を見てください」
「下を見てください」でした。

 

皆様も一度は、眼科で聞いているはずの表現なので、「どこが違和感?」と不思議でしょう。

 

通常の眼科の検査では、まず、患者は椅子に座った状態で、同じく椅子に座っている眼科医に向き合います。

 

そして、「顎(あご)をここに乗せてください」などと言われ、機械を通して眼科医が我々の眼の状態をチェックします。

 

このシーンでは、「上を見てください」や「下を見てください」は全く問題ありません。

 

しかし、私が手術のベッド上で「を見てください」と声をかけられたとき、「天井の方を見るのかな?」と一瞬迷いました。

 

もちろん、その後、0.76秒(テキトーです😅)ほどかかって、ああ、普段、椅子に座った患者に話しかける言葉の癖で思わず言ってるんだな、と推論が完了ました。


そして、すぐに眼を自分の額(ひたい)の方向に向けました。

 

しかし、この0.76秒の推論は、患者にとっては余計な負担です。なかったほうが嬉しいです。

 

もちろん、私のように「天井の方を見るのかな?」と瞬間迷うようなバカな人間は、少ないでしょう。

 

大多数の勘のいい患者さんは、ベッド上で「上を見てください」と言われても、なんの問題もなく、迷わず自分の額(ひたい)の方向を見るでしょう。

 

しかし、世間は利口な人ばかりではありません。少数ですが、私のようなバカも一定数いるのが現実社会です。


特に手術中は、私のような少数派のバカ相手でも、医師の意図が100%正確に患者に伝わらないと危険です。

 

ですから、相手が私のようなバカ(Fool)にも通ずる安全なフールプルーフ(Fool-proof)な表現を使ったほうがいいでしょう。

 

ここで言う「Fool」とは、バカに限らず、そそっかしい人、落ち着きのない人、勘違いしやすい人、勘が鈍い人、などなどを全て含んだ概念です。


Water-proofが「水に耐える」、つまり防水を意味するように、Fool-proofとは、「おバカな人々にも耐える」という意味です。


つまり、そういう人たちの存在をも想定し、そういう人たちにも通用する表現のことです。

 

「言い慣れた表現」

「相手に通ずる表現」

とは限りません。

 

ベッドに横たわっている患者にかける言葉に関して、眼科医の皆様への私の改善提案(青字部分):

 

■「上を見てください。」

■「額(ひたい)の方を見てください。」

 


■「下を見てください。」

■「顎(あご)の方を見てください。」