北海道に帰郷して札幌から実家の芦別まで帰るコースは
毎回、帰る度に色々なスポットを周るのを楽しみにしています。
今年のGWは夕張に立ち寄りました。
行きたかった場所があり、昭和52年(1977年)に公開された
山田洋二監督の「幸福の黄色いハンカチ」の舞台となったロケ地跡で
現在は「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」となっている場所を訪れました♪
「幸福の黄色いハンカチ」は、第1回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ
数多くの国内映画賞を受賞した映画です。
この映画で初共演した高倉健が演じる主人公の島勇作と
倍賞千恵子が演じる光枝が再会を果たした感動のラストシーンを再現した施設です。
専用駐車場(無料)に車を停めて受付へ向かいます。
◆施設案内マップ
映画が撮影された頃は、ここに多くの炭鉱住宅(5軒長屋)が立ち並んでいましたが
現在は何もなく緑の空き地が広がっていました。
札幌では桜が散り葉桜になり始めていましたが
夕張はまだ桜が綺麗に咲いていました♪
この建物で大人550円の入場料を支払ってから施設内を回ります。
雪が降る冬季は閉鎖され、今年の営業期間は4月27日(土)~11月4日(祝)までです。
◆ハママツ カフェ(受付)
映画のロケ時には、出演者や撮影スタッフが訪れた旧浜松理容院です。
風にたなびく黄色いハンカチを撮影するために風が吹くのを
何時間も待っていたというエピソードが有名です。
建物内はカフェとしてリニューアルされ、撮影当時の写真や資料が展示しています。
「駅」は増毛駅、「鉄道員」は幾寅駅がロケ地として有名ですが
こうして見ると高倉健は北海道をロケ地とする映画が多いようです。
受付で入場料を支払い桜並木を歩きながら奥へと進みました。
映画の撮影当時、夕張には多くの炭鉱住宅が建ち並んでいましたが
1970年代後半から相次いで炭鉱が閉山すると、大半が姿を消してゆき
実際にロケで使われたこの長屋だけが残っています。
因みに映画で高倉健と倍賞千恵子が住んでいたのは一番奥の部屋になります。
◆幸福を希うやかた
炭鉱住宅(長屋)内は記念館となっており、映画撮影時の写真や公開時のポスター、
部屋のセットの再現など様々な資料が公開されています。
来場者が書き残した「幸福」を希う黄色いメッセージカードが
建物内にびっしりと貼ってありました。
ここに訪れた人々が「幸福」を願う想いが積み重なっています。
黄色いメッセージカード、ペン、画鋲が用意されています。
監督の山田洋二、高倉健、倍賞千恵子、桃井かおり、武田鉄矢のサインもありました。
◆高倉健の似顔絵
映画で島勇作(高倉健)が妻・光枝(倍賞千恵子)に宛てた葉書をもじったようです。
この映画のクライマックスシーンが壁一面にアップで描かれ
山田洋二監督の直筆メッセージが記されています。
◆ストーリー
失恋してヤケになっていた花田鉄也(武田鉄矢)は新車を買い、傷心を癒すために車で
北海道を旅していた。一人旅をしていた小川朱美(桃井かおり)をナンパすることに成功し
ドライブを続けている最中、2人は島勇作(高倉健)と知り合いになった。
旅を共にすることになった3人だが、勇作が無免許運転で捕まった際に、
彼が刑務所を出所したばかりだと分かった。
勇作は過去を訥々と語り始める。愛する妻・光枝(倍賞千恵子)がいたこと、
夕張に住む妻に、出所後一通の葉書を出したことを・・・。
・監督 山田洋二
・主演 高倉健
・共演者 倍賞千恵子、桃井かおり、武田鉄矢、渥美清
撮影風景を交えて、ロケ地の軌跡を追うことで、物語のあらすじもわかる地図パネルです。
◆幸福の黄色いハンカチ 北海道のロケ地
ロケに使用されたマツダの赤いファミリアが展示されていました。
花田鉄也(武田鉄矢)が運転する赤いファミリアに小川朱美(桃井かおり)と
島勇作(高倉健)の3人が一緒に旅することになるシーンです。
島勇作(高倉健)が出所の時に使用した帽子とボストンバッグです。
◆島勇作(高倉健)の帽子とボストンバッグ
島勇作(高倉健)が炭鉱の回想シーンで履いていた安全靴です。
◆島勇作(高倉健)が使用した安全靴
台本の題名は「勇作と光枝の物語」となっていました。
◆台本
◆小川朱美(桃井かおり)が使用した帽子・バッグ・サングラス
花田鉄也(武田鉄矢)が使ったサングラスと靴(左)と
小川朱美(桃井かおり)が履いていた靴(右)です。
◆花田鉄也(武田鉄矢)が使用したグローブ
スーパーのレジ係だった妻・光枝(倍賞千恵子)との出会いのシーンです。
この映画のポスターは
現在では映画史上最大の〝ネタバレ〟ポスターとして有名になっています。
◆当時の映画ポスター
展示室の奥では山田洋二監督が「幸福」について語ったインタビューや
映画のダイジェストが上映されていました。
ロケで使用された部屋のセットが再現されています。
島勇作(高倉健)と妻・光枝(倍賞千恵子)らしき人形があります。
炭鉱住宅に石炭ストーブが置いてあり、子供の頃を想い出しました。
◆炭鉱住宅再現コーナー
何となく似てますが何も知らない人が見たら誰だかわからないのでは・・・。
台所も米びつ、洗濯機、水甕など昔のままの雰囲気が再現されています。
◆花田鉄也(武田鉄矢)の赤いファミリア
◆幸福を希うやかた建物内
感動のラストシーンを再現した
鯉のぼりの竿に数多くの黄色いハンカチが風になびいて幸せのシンボルとなっています。
◆黄色いハンカチ想い出ひろば
◆山田洋二監督が語る 映画「幸福の黄色いハンカチ」を作ったきっかけ
1970年代にアメリカでヒットしたポップス「幸福の黄色いリボン」が日本でも
よく聞かれましたが、その英語の歌詞の意味を「男はつらいよ」の撮影中に
倍賞千恵子が山田洋二監督に教えてくれました。
長い刑期を終えた男が故郷に帰る前に別れた妻に手紙を出した、
「もし今でもこの俺を受け入れてくれるなら、庭先の樫の木にリボンを結び
付けてくれ。リボンがなければ俺は一生会わない」と、バスの車中でそのことを
知った乗客全員が不安に見つめる向こうに見えてきたのは、樫の木一杯に
はためいた百本もの黄色いリボン。
この内容に山田洋二監督はすっかり魅せられ、こんな映画を作りたい。
発想する時にそのクライマックスが目に見える。
それが映画「幸福の黄色いハンカチ」の始まりだった。
アメリカの広野を2日も3日もかけて走る長距離バスの中でのドラマを、
スケールは小さくなるが北海道に移し替えてみた。
同乗者を若い男女の二人にする。リボンよりハンカチが僕たちは親しめる。
主人公は炭鉱夫、炭鉱の町の炭鉱住宅が並ぶ端っこに鯉のぼりの竿が高く聳えていて、
そこに黄色いハンカチが何十枚も翻る・・・。
◆夕張観光マップ