アラビア語の発音を考える①【日本語と他言語にもある子音】編 | 藤坂託実の語学散策 ~アラビア語とその他諸々~

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これまで趣味程度に10以上の外国語を学んできたわたくし藤坂託実が、語学に関することを多角的に自分勝手に、独り言として吐いていくブログです。

アラビア語に関する記事が、おそらく最も多くなるでしょう。なのでこのサブタイトルです。

久しぶりの新しい記事を書きます。前回までのWikiアラビア語版に関連する事柄も別にあるのですが、それはまた後日。


今回はアラビア語の発音についてです。


「アラビア語は難しい」とはよく言われます。耳にタコができるくらいです。
はっきり言って聞き飽きてます、その言葉。


ただ、その「難しさ」の正体はいろいろと異なるようで………。


まず言われるのは『文字』。
まあ、ねぇ………………。
実は結構、驚くほど簡単なんですけども、文字を覚えるのは。
「文字を覚えるのが難しい」と言っている人は例外なく全員、真剣にアラビア語に取り組んだことがないというのは明らかなんですよ。腰を据えて、「よし、覚えるぞ!」と気合いを入れれば拍子抜けするほどアラビア文字なんて短時間で覚えちゃうんですけどね。

だからヤフー知恵袋とか教えてgooとかにある短絡的な「アラビア文字難しい」教にだまされないことですね。ああいうQ&Aサイトで答えている人たちは皆、必ずしも専門知識をもとに答えてる訳じゃないし、私から見ればいくら装っても回答者が本物のアラビア語学習者かどうか一発で見抜けますから(笑)

アラビア文字の覚え方については、私なりの解釈ですが、いずれ記事にしたいと思います。


続いては文法の難しさ。英語や他の言語などと違うところも多いのは確かです。
でも、昔の自分のブログ記事でも『数学的』と書きましたが、アラビア語文法は極めて規則的・論理的なので、その点ではむしろ他の言語より理解しやすいという一面もあったりする。これは人にもよるので一概には言えません。



さて、上記2つと並んで言われるのが『アラビア語の発音は難しい』です。
母音が「a,i,u」の3つだけでラクだ、というのはちょっと調べれば分かると思いますが、問題は子音の発音が未知の音・発声方法ばかりでいまいち良く分からん!!!という意見。

これには、すごく同情します。気持ちはよく分かります。
なので、あくまでも私なりにですが、皆さまがアラビア語発音を理解するための手助けになればと、記事を数回に分けて書きたいと思います。
予定としては、今回が①として、
②:アラビア語の母音について
③:【ق/ظ/ط/ض/ص】について
④:【غ/ع】について
⑤:【ء(ハムザ:声門閉鎖音)】について
⑥:【ه/خ/ح】について(未定)
ただし⑥に関しては、自分の中で明確に「これだ!」と自信を持って提示できる案が現時点()で見つかっていないので、記事更新時期は未定となります。見つかればなるべく早く更新したいと思います。



まずは、①【日本語と他言語にもある子音】の発音です。
該当する文字を具体的に挙げるなら、
【ى/ة/ي/و/ه/ن/م/ل/ك/ف/ش/س/ز/ر/ذ/د/ج/ث/ت/ب/ا】
これらの文字たちですね。日本語や英語、スペイン語なども持っている発音です。
ただ、他言語にもあるって事なので、そこまで深追いする必要もないと言えばそれまでですが………。

以前に記したこちらの記事
にも、大体書かれている通りです。


しかしながら、追記や補足のような形になりますが、
※「ج」(ジーム)はジャ行音と書きましたが、正確には発音記号では/ʒ/です。
日本語のジャ行で普段使われる/dʒ/ではないんですね。とはいえ、
アラビア語には/dʒ/を表す文字はありません。したがって、
ポーランド語やトルコ語などのように、/ʒ/と/dʒ/の
2つの発音を使い分ける必要性がないので、日本語のジャ行音と捉えてもかまわないという訳です。やや専門的な話になっちゃいました。



第一弾はこんなところです。次回はアラビア語(フスハー)の母音について考えてみます。フスハーってところがミソです。