ご訪問ありがとうございます
今日は ↑この本 の続きをば。
ちなみに①の投稿はコチラ↓
前回の投稿では
インクジェットプリンターによるデジタル捺染について知ってやろうじゃないですか
などと、息巻いていたワタクシだったのですが夏風邪で体調を崩し
図書館にいったん返却した関係で続きを書くのに時間がかかってしまいました…
デジタル捺染についてきちんとした知識を持ちたいと考えた著者の青木奈緒さん。
取材した先は、株式会社デジナの居内商店さんです。
「居内商店 ゴフクヤサン・ドットコム」については、きもの好きな方ならご存知の方が多いと思います。
事務所は大阪の船場にありますが、デジタル捺染の染めは新潟県十日町で行っているそうです。
インクジェットプリンターは一見したところ家庭用のものとさほど違いがなく、広幅の布がプリントできる大きさだそう。
プリントヘッドが左右に往復し、見ている間に次々に模様が描き出され、このときは絵羽仕立ての白黒ハチワレの猫柄の訪問着がプリントされていました。
値段は若い人が手に取りやすいように、ちょっと高めのワンピースと同じ価格設定。
絹地とポリエステル素材のセオαでは、セオαの方が好まれるそうです。
居内さんによると、「絹至上主義ではなくなっている」とのこと。
これはイチきもの好きとしては、なるほどそうか、と納得いくものがあります。
いかにも街着なおしゃれきものなら、お手入れしやすくて、気軽に着られる方がいいに決まってますものね。
訪問着とはいっても現代っぽい猫柄ならフォーマルでは着用しないでしょうし。
デジタル捺染きものの製作に使用するプリンターの改良に4年。
長所は
- 色彩の豊かさ
- 製版がいらない
16万色が自在に表現可能で、どんな色調のグラデーションもできるし、写真をそのままプリントすることも、体全体を覆うような大きな柄も難なく染めることができる。
↓こちら居内商店さんのデジタル捺染のグラデーションきものの一例
製版をしなくてすむことで、納期が短縮できる。
一枚からプリントできるのでお客の好みに応じて色違いにしたり、地色を無地から縞にするなどの個別対応ができる。このため在庫を抱えなくてすむ。
居内さん曰く。
好むと好まざるとにかかわらず、着物を着る人も、きものをつくる職人さんも減ってきています。頑なに従来のやり方をまもって衰退していくのをただ見ているより、着る文化としてきものを残すためにいろいろチャレンジして、少しでも若い人が気軽にきられるようにしたいんです。それで余裕ができたら、今度は価値がわかった上でいいものをどんどん買ってほしい。
伝統的な職人さんの手仕事をおびやかすのではなく、そのよさをわかってもらうための手はじめとして着てもらえれば、と。
きものが好きになると
着物沼にハマると
手仕事への愛はどんどん深まっていくものですよね。
作業工程を知れば知るほど、どうしたらこんなに緻密な絣が織れるのって驚愕しますもの。
イチきもの好きとして思うのは、そこへ到達する前の段階で嫌いにならないで欲しいって思う。
一緒にきもの、楽しみましょうよって思う。
高いから絶対買えない、お手入れが大変で費用が嵩むから着るの無理、ではなく。
手はじめに気軽に着られれば。
可能性は広がる。
居内さんは次のように結びます。
デジタルきもので今までにない意匠を作りたい。
それができたら、きものは成長産業だと思います。
夢が広がる頼もしいお言葉です
今までにない意匠
デザインセンスとか皆無な私には想像もできないけれど。
こんなことができるんだと驚いて、そしてぜひ着てみたいと思えたら、私も買うかもしれない。
それはどんなきものだろう?
想像してみるのはすごく楽しい。
以下に居内商店さんのデジタル捺染の商品をリンクさせてみました。ご興味のある方は参考までに。
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