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亡くなった父のことを思い出していたら

 

ふと幸田文さんの小説 『きもの』 を読みたくなりました

 

 

 

 

 

 

 

主人公のるつ子がお嫁にいくときに

 

るつ子のお父さんがかけた言葉が

 

なんだか印象的だったけど

 

何て言ってたんだっけと確かめたくなって

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

るつ子は父と祖母の反対を押し切って結婚することになり

 

家の中はどうもぎくしゃくして重苦しかったのですよね

 

 

 

 

 

式の前夜るつ子は考えたあげく

 

さからってする結婚をお父さんに詫びます

 

 

 

 

 

お父さんは答えて言いました

 

 

 

 

 

詫びてもらってうれしい

 

互いに強情だし

 

それにうそを言わぬ親子なのだろう

 

おれはもうさっぱりとおまえたちの幸福を祈るばかりだが

 

おぼえておいてくれ

 

もし万一病気その他の不幸がある時は

 

結婚に反対した父を思出さないで

 

それまでのおれの姿を思い出してもらいたい

 

 

 

 

 

私が結婚する際

 

父に全然優しい言葉をかけてもらえなかったので

 

このるつ子のお父さんの言葉には

 

すごく胸をうたれました

 

 

 

 

私もこんなふうに言ってもらいたかったなって思う

 

羨ましい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時代は大正で

 

関東大震災のすこしあと

 

 

 

 

現代から見ると少し固い

 

突き放した物言いに思えますが

 

まあ時代が時代です

 

つらかったらいつでも戻っておいでとは言わないでしょうし

 

反対を押して結婚するなら

 

二度と敷居をまたぐなと言われても不思議ではないところ

 

十分に愛情のある

 

あたたかい言葉と言えると思います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあと結婚式の場面が描写されるのですが

 

白い衣裳をまとったるつ子の様子は

 

美しい中に哀しさと不穏な予感が漂っていて圧巻です

 

 

 

花嫁衣裳の意匠なども詳しく描かれていて

 

きもの好きにはたまらない一冊です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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