ご訪問ありがとうございます花

 

 

 

 

私の大好きな小説 幸田文著 「きもの」

 

このブログでも再三取り上げているのですが

 

 

 

今日はこの本の装幀のお話

 

 

 

 

 

↑この表紙カバーの黒無地とかわいらしい花柄は

 

黒羽織の袂なのです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸田文さんが娘の青木玉さんのお嫁入仕度として作った羽織で

 

“羽織の紋付きはいらない” と玉さんは言ったのですが

 

幸田文さんは

 

“じゃあ紋は付けないで黒い羽織にしよう

 

向こうの親御さんも里の親も

 

黒い羽織の初の若女房振りくらいみせてもらっても罰はあたるまい”と言って

 

黒の紋なしの羽織を作ってくれました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生地が染めあがり

 

仮とじして玉さんが羽織ってみたところ

 

幸田文さん

 

“似合わない …(中略)… あんたはまだ黒を着る器量がない”

 

と言うのですね(笑) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてある提案をします

 

可愛い小花模様ばかり集めた染見本を見ながら

 

“黒い羽織にこんな柄を取り合わせて袖先にはめこんだら

 

きっと面白いよ

 

右は外袖、左は内袖、見方によっては無地に見える

 

動くと可愛い柄が袂先にある

 

あんたがほんとうに黒が似合うようになったら

 

袖先の布を外して無地にしなさい”

 

 

 

 

 

玉さんはお母さんの気持ちがうれしくて

 

この小花模様は今も外さずにそのままにしてあるそうです

 

このお話は

 

青木玉著「幸田文の箪笥の引き出し」に収められています

 

 

 

 

 

 

 

玉さんがこの黒羽織を着用なさった写真もあります

 

 

文章もとても素敵なので

 

興味のある方はぜひご覧になってみてくださいね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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