弟子と学生の違い その1 | しょうかんのうだうだ

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仏絵師藤野正観(66)の備忘録・・・っといっても、ほとんどどこにも出かけないので、ふだん、ぐだぐだ思ったり考えていることを書き連ねることになるのは必至。

今日は、弟子と学生の違いを考えてみることにする。

その1

あくまでも私の経験した弟子生活が私の「弟子」という立場の基本的な認識となっていることを最初にお断りした上で話を進めることにする。

このページの左上、私のプロフィールのPDFファイル「仏画に魅せられて」を読んで頂けると、次の流れがいっそう分かりやすいのだが、実は、私は今、仏画の制作で飯を食っている。いや食わせてもらっている。そのきっかけが、そのファイルに書いてある。
私がなぜ、仏画を描いているのかよく聞かれることがあったので、5年ほど前にまとめた記憶がある。

で、本題に移るが、高校を卒業すると同時に京都の染色図案家に内弟子として弟子入りする。
18歳、3月15日、確か運転免許を習得した翌日、京都の師匠宅に入ったことを覚えている。

新しい弟子生活は、朝7時に起床し、掃除、筆洗の水変えなど仕事の準備作業、朝食を終え8時半より12時まで技術習得の為の勉強と下働き。当然昼食後も同じことを繰り返す。18時になると夕飯、休憩。
21時より、自習、写生や線描きの練習、知識獲得努力。
この時間の有効利用いかんで、他の弟子たちとの差が出る。
0時~2時頃就寝。この繰り返しが三年続く。
4年目からは、準プロとして、師匠の仕事を手伝いながら実力をつけ、その仕事に対してはお給金も発生する。

最初の3年間は、お小遣い程度は頂けるのだが、その額が少なすぎる為、外に遊びに行く予算がない。これはよくできていて、遊び盛りの少年を家に閉じ込め、理屈なしに、いやおうなしに、修行に専念させることができるのだ。

つづく