天道 | しょうかんのうだうだ

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仏絵師藤野正観(66)の備忘録・・・っといっても、ほとんどどこにも出かけないので、ふだん、ぐだぐだ思ったり考えていることを書き連ねることになるのは必至。

 天道は、天人の世界で、人間の世界の人道より楽多く苦の少ない世界なのだそうです。
それでも、欲界、色界、無色界の三つに分かれるといいます。

 欲界は、あるのは至福や快楽のみという、うれしいこと極まりない世界を言いますが、そのとう利天とて、天寿尽き臨終の際には、天人に五衰の相が現れるといいます。

一つには、華の髪飾りがしおれ、二つには羽衣が埃や垢で汚れ、三つには脇の下に汗が流れ、四つには眼がくらみ、五つには歓楽の場所であったこれまでの住処をも楽しめなくなるといいます。
つまり、至福の状態は続かない、たいくつし、飽きるということなのかもしれません。

 この五衰の相が現れると、天女や一族の者は、その天人を雑草のように見過ごし遠ざかってしまう。
経験はありませんが、歓楽に慣れた後だけに、そのちょっとした苦しみは地獄の苦しみより大きいのかもしれません。

欲界の上に位置し、欲望を離れてはいますが、なお物質的存在(色)からは解放されていない色界と、一切の色法(肉体・物質)の束縛を離脱した、受・想・行・識の四蘊(シウン)だけで構成する無色界には五衰の相はないとはいえ、ついには天を去らねばならぬ苦しみがあるのだそうです。

天界最上の天である悲想天でさえも、地獄の底の阿鼻地獄に堕ちないという保証はないのだそうです。

ということで、この世界が、六道輪廻で行く最上の世界なのです。

このあと、人道、阿修羅道、畜生道、餓鬼道、そして地獄道へと堕ちていきます・・・。お~怖!