ビデオレター 感謝祭 | しょうかんのうだうだ

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仏絵師藤野正観(66)の備忘録・・・っといっても、ほとんどどこにも出かけないので、ふだん、ぐだぐだ思ったり考えていることを書き連ねることになるのは必至。

 


ワシントンDC郊外に住む孫たちのビデオレターが届いた。

このビデオを観て、アメリカの感謝祭という、日本でいうとお盆のような国民の祝日があることを始めて知りました。収穫祭(ハロウィン)と似ていますが、ちょっと違うらしいのです。

ハロウィンの由来は、古代ケルト人の秋の収穫感謝祭に起源があるといわれるそうなのですが、この感謝祭は、サンクスギビングデイといって1863年、リンカーン大統領が11月第4木曜日を正式な国民の祝日として制定したそうです。

このサンクスギビングデイは、農作物の収穫を神に感謝する日という点では同じですが、インディアンにも感謝するそうです。

1番のごちそうは、こんがりと焼きあがった丸ごとの七面鳥とパンプキンパイだそうです。

アメリカのサンクスギビングデーの起源は1620年。この年の12月、英国の清教徒団(ピューリタン)が、メイフラワー号でマサチューセッツ州のプリマスに到着しましたが、極度の寒さと飢えにより半数の清教徒が命を落とします。

生き残った人々は、インディアン(ワンパノーアグ族)から農耕や狩猟を学び、トウモロコシなどの収穫や七面鳥の飼育に成功したといいます。
清教徒たちは、収穫の感謝を神、そしてインディアンに表するため、祝宴を開きました。
これがアメリカのサンクスギビングデーの始まりだそうです。全米が休日となり、日本でいうならお盆休みといったところです。

このビデオは、遠い異国で、日本人である私の孫(5歳)が、このピューリタンの子孫たちによって受け継がれた感謝の念を表す「お遊戯会」で、その子孫たちと一緒に踊っている様子が写っています。実に不思議な光景です。

神への感謝と、インディアンに感謝する心、美しい心です。

私が昔、観た西部劇は、例外を除き、どれをとってもインディアンが、残忍で無知で争いばかりしている悪者として描かれていました。
我々日本の子供もインディアンは悪くて恐ろしい人だとイメージしていました。

よく考えると、先住民であるインディアンが前から平和に住んでいたところへ、よそ者の白人が武器を持ってなだれ込んで来たわけですから、悪い侵略者は白人の方なわけで、何とも理不尽な映画だったことになります。

あの頃の西部劇は、今のアメリカの子供たちはどう見ているのでしょう・・・。

いづれにせよ、何処の国の歴史も、ご先祖様が、命がけの争いごとを神仏の力を借りて乗り越えてきたわけですから、今があることに「感謝の念を表す」ことは、ご先祖を持つ「人」として当たり前のことに過ぎないことが理解できます。

文化革命により、ご先祖様や伝統を否定して今の共産主義の文化を作らざるを得なかった中国は、ほんとうにこのようなご先祖に感謝するといった美しい心を持ち合わせていないのでしょうか?・・・。と、ついつい違うところで考えさせられてしまいます。

思い出す・・・というと、先日、こんな話も聞いたか読んだか忘れましたが、記憶を確かにする為に、今、ちょっと調べなおしました。

このお話も感銘を受けましたので、次にご紹介しておきます。

アメリカにシアトルという町ありますが、この町の名前の元となった先住民であるインディアンの酋長、チーフシアトルの言った名台詞です。

それは、1855年、チーフシアトルは、インディアンに所有地のほとんどを放棄させる為のポイントエリオット条約に署名しました。
その結果に不満を持ったインディアンと白人との間の戦いで、さらなる流血を避けるため、アメリカ大統領の土地買い上げ要求に仕方なく応じ、和平交渉に努めたと言われています。

「大地は人間が所有するものではない、人間は大地の一部なのだ。空を、あるいは大地のぬくもりを、どうして売ったり買ったりできるだろう。私には理解できない。
風の匂いや水のきらめきを、あなた達はどうやって買おうというのだろう。
私達はこのことを知っている。大地は人間が所有するものではない、人間は大地の一部なのだ。
あらゆるものは、一つの家族を結びつけている血と同じように、繋がり合っている。
私達人間は命という織物を自分で織ったわけではない。私達はそのなかで、ただ一本のより糸であるに過ぎないのだ。
生まれたばかりの赤ん坊が母親の胸を慕うように、私達はこの大地を慕っている。
もし、私達がどうしてもここを立ち去らねばならないのだとしたら、私達が大切にしたようにこの土地を大切にしてほしい。
美しい大地の思い出を、受け取ったときのままの姿で心に刻み付けていてほしい。
そしてあなた達の子供のそのまた子供たちのために、この大地を守り続け私達が愛したように愛してほしい。
いつまでも。」

これが、その時の有名な演説「チーフシアトルのスピーチ」だそうです。

まったく、その通りですね。 中国共産党さん、チーフシアトルに学んで下さい。物の考え方、捉え方ひとつで平和な世の中になるんですね。仏教でいう「真理」ともいえますね。