今、私の新しいパソコンのディスクトップを飾る壁紙は、8年ほど前に行った時の聖地巡礼、インド・バイシャリ郊外の『見返りの丘』に集まった子供たちの写真だ。(左上のサムネイル画像をクリック。下に動画有り。)
仏陀が、涅槃の旅の途中に立ち寄ったバイシャリの町。
「バイシャリは、美しい町だった・・・。人生とはなんと甘美なものよ・・・。」と、接待を受けたマンゴー園の持ち主で遊女だった美しいアムラパリを想い浮かべたのだろうか、執着を捨てたはずの仏陀が、まるで巨象が振り返るように、何度も大きく振り返り、この丘から見えるバイシャリの町を懐かしんだという。
私が、人間仏陀に強烈に魅かれ、親しみを覚えるシーンがここ、バイシャリ郊外のこの丘なのだ。
ちょうど、乗っていたバスが故障し、1Kmほど近道を歩いてこの丘に着いた。
そのあぜ道のような、細い道路の脇にはこの子供たちの家族が慎ましやかに生活をする田舎の村があった。
さながら、彼等の生活は2500年前のその時代と大差はないように見えた。
くったくのない目をしたその子供たちは、われわれ一行を見つけると、この丘まで着いて来たのだ。
ここには、巡礼者も、めったに訪れないのだそうだ。外人が珍しいのだろう。
丘の向こう側の田んぼのその向こうに住む、小学3年生ぐらいだろうか、毎日着ているのだろう汚れたスカートから痩せた黒い素足を元気そうに大きく動かし、あぜ道を全速力で走ってくる少女が居た。
彼女の右腕には、彼女の弟であろう幼い男の子がしっかりと抱えられていた。
何事かと一目散、我々の居る丘に向かって走って来る・・・・。
懐かしい写真の一枚だ。