経皮的冠動脈カテーテル形成術(ロータ ブレーター)を受けました | しょうかんのうだうだ

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仏絵師藤野正観(66)の備忘録・・・っといっても、ほとんどどこにも出かけないので、ふだん、ぐだぐだ思ったり考えていることを書き連ねることになるのは必至。

病室でブログ
妻に撮ってもらいました

 


 22日、18日に続いて2度目のカテーテル治療室に行く10分前、何度かのトライでやっと点滴針の入ったその箇所が腫れあがって痛みがあります。
病室で、紙の手術着と横が開く紙パンツに気替え、尿の排泄用に管も再び挿入してもらい、準備万端で待っていた時です。針がうまく刺さっていなかったようです。どおりで痛かったはずです。
慌ててやって来たベテラン看護師の、計4度目のトライでやっと点滴針が入って一安心。
私の血管が細いのと、奥にあるらしいので、採血センターの看護師さんも困ることが時々あります。
しかし、何度もやられる方はたまりません。
あれ?と言って血管をしつこく探す5年目の看護師さんに「2度失敗したら、素直にベテランに交代してね(^o^)」とお願いしたのですが・・・。かえってプレッシャーを与えてしまったかもしれません・・・。

1時半、予定通りカテーテル治療室Aへ移動。
この桂病院心臓血管センターのカテーテル治療室は全部でA・B・Cと3室あります。
ベッドに寝たままその施術室まで移動しますので、部屋の様子をよく観察できないのですが、18日の施術してもらった部屋はC室でした。
このA室より最新の機器が導入されていたように思います。

ベッドが横付けされ、施術台には自分で乗ります。
前回はすごく腰が痛かったので腰の下にタオルを入れてもらいました。
顔半分がマスクと帽子で隠れてるので、目しか見えません。誰がDrで、誰がサポートするスタッフか分かりません。
皆さん初めてお会いする方々なのです。
実は、施術していただくDrのお名前は聞いていましたが、その時でないと分からないということも聞いていました。
施術前の患者にとっては、実に不安な心理が働いています。

周りのスタッフが手際よく私の体を消毒したり、カバーをかけたりと、施術体制に整え終わると、女性の声で、「はい、麻酔をします。ちょっとチクッとしますよ」
小林智子Drと、この時、やっと分かりました。
一回目の施術を担当した船津Drは、施術する直前病室に来て、挨拶と私という患者の目を見てその時の私の様子を観察してくれましたが、この小林Drは手術室でも、特に挨拶はしてくれません。 
彼女は私という患者を「まな板の鯉」ぐらいに思っているのでしょう。
ようは、完璧に施術すれば良いわけですから、患者の感情移入など必要はないわけです・・・。

彼女は、心臓血管センターの部長さん。カテーテル治療のオーソリティです。
今回入院した時の主治医の船津Drは、月曜日まで海外出張で留守中です。
舩津Drより、「2度目の治療は、たぶん自分より先輩の小林先生がします。」ということを聞いていましたので、彼女のことをネットで調べていました。
私のようにネットで調べることが出来ない患者は、いったいどんな心境で施術してもらうのでしょう・・・。

ということで、2度目の治療が始まりました。

4年前にはすでに詰まりかけていた血管ですが、12日の検査では、昔と変化はなく、現在でも進行は見られなかった部分の大掃除です。急ぎませんが、入院ついでにすることにしました。

因みに入院時に予定していた三度目の治療は、またの機会にすることにしました。
比較的大切な血管の治療を優先したわけです。つまり、三つ目の狭窄した血管も、4年半前と変わらないし、薬さえ飲んでいればこれ以上狭窄することはないだろうという舩津Drの判断です。

ローターブレーターというダイヤモンドの粉の着いた高速回転するやすりで、削りながら石灰化した血栓を堀進むといった治療です。
この最新の治療方法は歴史が浅く10年ほどだそうです。このローターを使ったカテーテル治療ができる病院は少ないそうです。

この施術には、カテーテルの入る足の付け根付近には何本かの局部麻酔はしますが、術中の患者の意識ははっきりしています。
治療中、歯医者のそれどころではない、まるで工事現場のような、モーターの回転音が何度もカテーテル治療室に大きく響きます。
1分間に19万回以上の回転をローターに伝えているのだと思いますが、最先端とはいえ、かなりアナログ的な治療法とも思えなくもありません。
午後4時20分、「はい、終わりましたよ!」と小林Drの明るい声。

2時間と20分。

1回目よりは1時間ほど早く終わりました。「ありがとうございましたぁ!」と礼を言い、施術台から自分の寝ていたベッドに移されるまでの時間、ローターのことをいろいろ聞かせてもらいました。

「先生、そのロータで削った削りかすはどこに行くんですか?」

「あぁ、削りかすは微細なもので、赤血球や??ぐらいの大きさで、それを食べてくれるマクロファージが血中にあるんですよ(^o^)」

??の部分はよく覚えていないのですが、この削りかすがどこかに詰まるということはないようです。

そこまでは記憶がありますが、術中の心臓には、かなりの負担があり、まさに狭心症のような痛みの中での施術でした。
ですので、終わってホッとした時なので、その小林Drとお話しした内容は、ほとんど記憶に残っていません。

数秒~10秒間、10回以上ドリルの音がしていたので、その数の石灰化した部分を掘削したことになります。
ローターが削り進む間は、血流が少なくなり、個人差はあるそうですが心臓が痛むのだそうです。
治療後に看護師に聞きますと、患者によっては術後、かなりの痛みで、のたうち回る方もおいでになるそうです。

おかげさまで、私の場合は、術後は爽快でしたし、治療前にその恐ろしい情報を聞いていなかったこともあり、気楽に今回の治療を受けたことも、幸いしたようです。

看護師曰く、第一回目のカテーテル治療とは、難易度が違うらしく、「翌日まで集中治療室で過ごしていただきます。」

1回目と同じように、術中に入れた血液サラサラ薬の効能が切れた頃、右の股にある動脈に直接差し込んだ何というのでしようか、そのプスチック器具を抜いてもらいます。抜いて貰う時にはちょっと気持ちが悪いですが、その作業は若い医師がしてくれました。伊藤Drです。優秀そうですが、若くてあまり愛相の良くないDrです。

その器具を抜いた後の処置が大切だそうで、指で10分~15分ぐらい押さえ続けて止血し、患部に玉のような物を押し当て、テーピングします。Drは、その間、身動きできませんので大変です。
今回は、右足の付け根だけですので、一回で済むのですが、前回は両足でしたので時間も倍はかかりました。

凄い力で押さえる若いDrに、「先生、痛過ぎます。もう少し力を抜いても・・・。」とあまりの痛さに嘆願しますと、「動脈ですので、完全に塞がないと・・・」と言って力を緩めてくれません。時間もたっぷり15分。

痛かったぁ・・・。(^^;

実は、前回のこのテーピング処置がきっかけで、私の左足大腿部に、ある症状が出ていました。
それは、術後2日過ぎたころ、太腿や脇腹のあたりが痒いのです。テープ負けです。
それが時間が経つにつれ、赤く腫れあがり蚯蚓腫れ状態になっていました。
かゆみ止めを塗って、そのままにしていましたら、なんと、夜には左大腿部外側の表皮面が痺れてきたのです。

治療前に広範囲に消毒液を噴霧されるのですが、それが蚯蚓腫れした部分にかかると痛いというので、最初のテーピングに肌荒れを起こしている部分に薬を塗って、その上に特殊な絆創膏をマスキングのように貼ってもらっています。
術後の止血の為のテーピング時にもその上に貼って貰っています。

止血テーピングから八時間、今回は、排尿管と点滴が外れるまで集中治療室で安静に過ごします。
今回は左足は自由に動かせることができますので、治療中もその後も右足さえ動かさなかったら良いので、だいぶ楽なのです。

22日の午後4時20分より昨日23日の午前11時ごろまで、集中治療室で過ごしたことになりますが、入院から一週間経った24日(日曜日)現在、今では、お義理に胸に『心電・呼吸・SpO2送信機』を身に付けている程度で明日の退院を待ちながら、ベッドの頭部分を60度くらいに起こし、これを書いています。

昼には、故郷から妹夫婦が、見舞ってくれました。
妹の旦那も私と同じ世代、東近江市からの車の運転は疲れたようで、帰りは2歳年下の妻である妹が運転して帰ったようです。
明日、退院ですが、今、お花も届きました。病室には甘いバラの香りが漂っています。

こうして、ベッドに座っていても、左足の大腿外側表面に残った痺れと日焼け後のヒリヒリのような痛みが今も残っています。
ので、明日、整形外科に相談しようと思っています。
ネットで調べますと、どうもテーピングが長かったので、自己診断ですが、圧迫による大腿外側皮神経痛ではないかと思われます。

大腿外側皮神経が、鼡径靭帯や、縫工筋の間を通るので、狭い空間の中を通る神経がその部位で、長時間のテーピングによる圧迫を受けた為だと思われます。

今回、治療を受けた心臓血管はかなり若返ったのですが、大腿外側皮神経痛とは・・・。

いづれにせよ、心臓血管の大掃除は終わりました。

大腿部の痺れも大したことはなく、痛くて足が動かないとか、ひきつるとかそんなことはありませんので、たぶん、自然治癒すると思われます。