長々とラーメンの話。本当に長いです…。 | 国立市で居酒屋を3店舗経営(株)ぶちえらい代表 藤村典史ブログ

国立市で居酒屋を3店舗経営(株)ぶちえらい代表 藤村典史ブログ

現在国立市で「居酒屋ぶちえらい」、「ワイン酒場ぶちバル」、「大衆酒場しんさく」の3店舗を展開しております。
設立は2012年。若輩飲食店経営者のブログです。

僕はラーメンをこよなく愛していて、食べ歩きの数も普通の人よりは圧倒的に多い。

サラリーマン時代は異動のたびに近場のラーメンを食べ尽くしていて、もちろん今は国立と立川はほぼほぼ食べている。

府中、国分寺、日野あたりは開拓中。でも普通の人よりは行っていると思う。


そんな僕だけど‘ラーメン屋だけには手を出さない’と決めている。理由はいくつかあるが、1つ挙げるとすれば生半可な気持ちではできない業種だからだ。


飲食業界で倒産する業種の圧倒的1位を占めるのがラーメン屋。ちなみに次は居酒屋。倒産が多いということは、その分新規開店も多い。

その2つの出店が多い共通する理由は‘安易な出店が可能だから’。寿司屋やフレンチなどはある程度の技術が必要だが、先の2つは素人でもやろうと思えばできる。つまり‘素人の安易な出店’が多いので、その分倒産も多い。

それに加え、初期費用が抑えられるラーメン屋はさらに出店のハードルも低い。だから倒産件数が1位という不名誉な結果が出ている。


潰れるラーメン屋の多くは‘味が良ければお客さんは来る’と思っている傾向が強い。なんとなくそれは態度でわかる。そういう店は総じてラーメンの味も微妙。美味しくないわけではないが、自己満足なだけで何度も食べたくなる味ではない。

店を続けていく上で味は1番大事な要素だが、何度も食べたくなるラーメンを作るのは本当に難しい。人間ってのは飽きる動物だから。

街の中華料理屋さんが無くならないのは、ラーメン以外に選択肢がたくさんあるから。ラーメンに飽きたら、チャーハン、麻婆豆腐、餃子、回鍋肉などなど色んな需要を取り込める。

ラーメン一本で勝負できている店ってのは本当に努力しているし、もっと評価されるべきだ。


ましてやこの時代に店舗を増やしているラーメン屋はやはり突き抜けている。

橋本の小川を運営するオーファスは味もさることながら色々ことに挑戦しているし、町田商店のギフトも圧倒的な効率的経営をしている。ムタヒログループは圧倒的な接客力とサービス力を持っている。

味だけで勝負できる時代は終わった。味が均一なチェーンでも入っている店とそうでない店があるのはそこの差だ。


ラーメン屋を始めるにあたっては味以外に考えることがたくさんある。それは味よりも重要なくらいだ。

家賃から月の売り上げを予想し、何人のお客様が来たら成立するか計算する。3日くらいお客様が来なくても、盛り返せるような売上がたたなければやめた方が良い。粗利の低いラーメン業界は1日の遅れが致命的になることも多い。従業員を何人雇ったらいいか、社員は必要か?食わせていけるか?、アルバイトスタッフだけにするか、動線も考え最悪1人で回せる体制も考えなければならない。人時売り上げを上げるなら券売機は必須、水もセルフでお願いするしかない。接客は特に重要。女性に対しては紙ナプキンがいるか聞いてもいいし、髪留めのゴムも用意してもいいかもしれない。お子様用のセットも必要だ。ティッシュを置くか、ナプキンを置くかも考える。宣伝も必要で、ネットでの宣伝は必須。SNSでの宣伝も必須。ラーメン屋ならツイッターをやらないと話にならない。ラーメンを作るための食材原価も高騰している。だけど安いの使っても不味くなるし、高いの使ったら成立しない。そのバランスをとるのも難しい。ロスが出ないようなメニュー構成にするのも大事だ。ラーメン屋は地域密着型の商売だから近所付き合いも必要だ。


こんなの一部でまだまだまだまだ考えることはたくさんある。


こんなこと書こうと思ったのは、昨日国立市で潰れたラーメン屋を見たから。

国立インターの近くの店舗で、ここ7年で3件のラーメン屋が潰れている。近くに工場がたくさんあり、昼飯需要もあるので場所は悪くないが、ダメなのは駐車場が少し離れていること。駐車場の表示をもっと大きく打ち出す必要あるのに、どの店舗とも表示が小さかった。

1店舗目の店はその駐車場の煩わしさに味が勝てなかった。美味しかったけどソコソコだった。2店舗目は味、接客ともに話にならない。半年持たないと思っていたら本当に半年持たなかった。3店舗目は行ったことないが、外観を見るだけでヤバイなと思っていた。看板は目立たないし、値下げ戦略という大手の土俵に乗っていた。


ヤバイなと思うラーメン屋は他にもあって


最近できたとある個人店は家賃がやたらと高い。僕の計算だと13回転しないとキツイ。最初の2ヶ月はいい感じだったが、最近ちょくちょくコケてる。仮に19回転でこけると、次の日は17回転しないも取り戻せない。だけどもたぶんリカバリーできない。家賃が高いのもあるし、人を使いすぎてるから人時売上も悪いだろう。今更席数を増やせる作りではないから、ここからどうやって挽回するつもりだろうと様子を見ている。

去年できたFCチェーンはもっとヤバくて。FCだから味はどこも変わらないのにお客さんまったく入ってない。近くにある系列店はお客さんが普通に入っているし、チェーン自体も増えているので味には問題ないのは明らか。原因は1つ。店主がヤバい。暇な時はいつもテレビを見てあくびをし、背中を素手でボリボリ掻き、笑顔もなければ愛想もない。普通にやってればチェーンだから味は美味いのに、あまりにも店主が酷すぎてお客さんが全然入っていない。なんでこの人接客業してるんだろうと疑問に思う。


仮に個人でラーメン屋をやるのなら、最低ラインで3つ。1つは坪1万以上は避けた方が良い。2つ目は圧倒的な美味しさのラーメンを作れるか。3つ目は最悪1人で回せるシステムを作れるか。

その三要素があればすぐに無くなることはないが、そんな店でも無くなる時代。

常に勉強し、時代とともに少しづつ味を変え、職人目線と経営者目線を持ったラーメン屋こそが生き残っている。


一杯のラーメンには店主の全てが詰まっている。昔はラーメン食べる時味しか見ていなかったが、今は大人になり色んなものが見えてきたので、その背景を感じながら食べている。


これ書いていたらラーメン食べたくなって、先程国立市富士見通りの‘初代修’に行ってきた。

やっぱ修の油そばは最高ですな。

国立市でいろんな意味でプロフェッショナルを感じるのは‘初代修’と‘ムタヒロ’の二店。

国立市でラーメンをやろうと思ったら、どちらにも行っておくべきですね。学べるものはたくさんあると思います。

ちゃんちゃん。



(株)ぶちえらい代表取締役 藤村典史

        ▪️会社ホームページ

        ▪️facebook

        ▪️Twitter

        ▪️Instagram

 

     ★居酒屋ぶちえらい

         食べログ    facebook    Retty 

     ★ワイン酒場ぶちバル

         食べログ    facebook    Retty 

     ★大衆酒場しんさく

         食べログ    facebook    Retty