選挙の世論調査の変化~その1~ | ふじくまさんのブログ

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総選挙まっさかりの中、朝日新聞の選挙の世論調査が他社と異なる情勢を発表して話題になってますね。

私は国政選挙の度に世論調査の調査員のお仕事をしてきました。しかも今回は序盤戦と中盤戦とそれぞれ違う社で世論調査のお仕事をさせていただきました。

今回、今までと大きく違うのはやり方が大きく変わったということ。

 

基本的の世論調査は今はどこもRDD方式(ランダム・デジット・ダイアリング方式)を採用しております。

ランダムに数字を組み合わせて電話番号のリストを作り、そのリストを基に電話を架けていくわけです。

要は個人情報が一切分からない状態で電話をするわけです。市外局番でおおよその選挙区は特定できますので、それで十分だったわけです。

更に、電話に出た人に対して調査すると、在宅率の高い高齢者や主婦ばかりになるのではないか?という批判も当然出るので、まずそこの世帯の有権者の人数を聞いて、例えば3人世帯だとすると、

こちらから年齢が上から○番目の人と指定して、年齢や性別の偏りを少しでも緩和していくわけです。もちろん、○番目というのは調査員が勝手に指定するのではなく調査員が使っているPCに例えば、3人世帯だと3と入力するとPCに1~3の数字がランダムに出るので、それを言うわけですね。

 

話を戻して、今回やり方が変わったと書きました。

今まではどうだったかというと、各選挙区ごとに調査をしていたんですね。

例えば東京1区だと東京1区用の電話番号リストを作り架けていくわけです。

ただ、同じ市外局番でも選挙区が違っている場合があります。特に都心部の選挙区だと。

この場合は電話をかけて、出た人に東京1区の住民かどうかをまず最初に確認する必要があります。

これを全選挙区やるわけですから、大変な人海戦術でやらないといけないわけです。

ちなみに参院選の場合は都道府県単位になります。

 

 

今回大きく変わったというのは、選挙区ごとの調査を止めたということなんですよね。

今回私は2社でやりました。仮にA社とB社とすると、A社はブロック単位でした。

つまり、比例区のブロックです。

例えば、南関東ブロックだとすると南関東の電話番号リストに電話を架け、市外局番だけで選挙区の確認が出来ない場合に限り、お住まいの市区町村を聞き選挙区の確認をして調査します。

ここは一応選挙区ごとの調査ではありますが、おそらく取る調査サンプル数は減ってると思われます。また、選挙区ごとにサンプル数のムラが大きくなるのではないかと思われる。

 

次にB社ですが、全国一律の調査。しかも電話では比例区のみの調査。ただし、固定電話と携帯電話両方で調査。私は固定電話担当。確認するのはお住まいの都道府県のみ。比例区のみだから選挙区確認は無し。

固定の場合は、まずその世帯の有権者数を確認しないといけないが、携帯の場合はその必要がない。携帯番号と個人が紐づいてるので固定電話でいう、常に一人暮らしの世帯に架けてるようなものになる。

もちろん、この場合もおそらく取るサンプル数は減ってると思われるし、選挙区はネット調査ということだと、調査の精度としては疑問が残りますよね。

 

私は、たまたま人よりサンプル数多く取れるのでいいのですが、私としては電話調査も比例区のみとか甘いことせずに選挙区確認をして選挙区の調査も一緒にした方が良かったのでは?と思うばかりです。

ただその分、調査員の能力・力がよりいることになりますけどね。サンプル回収率が下がると、という懸念もあったのでしょうかね?