TEACCHは素晴らしい、と私は思います。

 

TEACCHは、1966年、ショプラー教授らにより研究事業で開始され、

1972年にノースカロライナの全州プロジェクトになりました。

自閉症児に、「視覚情報」、「構造」、また「予測可能性」を提供することで、

その後生涯にわたって地域での生活を支援していくことを目指しています*1

 

日本に、はじめてTEACCHを広めたのは、(故)佐々木正美先生、

私の大学の先輩になります(新潟大学医学部卒)(面識はありません)。

 

TEACCHは、部分的には、ABAの手法を使うことがありますので、

ABAと完全に区別することは難しいです*2

(例えば、TEACCHもABAもご褒美(強化子)を使うことがあります。)

(どちらも、精神分析学、ではなくて、行動理論を背景にしています。)

 

構造化、

TEACCHで言われる「物理的構造化」の例として、「ついたて」があります。

「一つの場所を多目的に使わないようにする、

一つの場所では一つの活動や目的に限るように、仕切りをつけてやること」です*3

また、「スケジュール表の提示」は、「時間や活動の構造化」、

「絵カード」は、「視覚的構造化」、とも言えます。

 

ただ、「構造化」、イコールTEACCH、ということにはなりません*4

療育技法だけではなくて、そのもとになる基本的な考え方、が大切なのです。

このあたりが、TEACCHの「気高い」感じのするところだと思います。

 

私の過去記事(5)で触れた日本の研究(2009年)では、

TEACCHの早期療育における有意な効果は、残念ながら示されませんでしたが、

もう少し長期的にみれば伸びるのではないか、あるいは、

もう少し年齢層の高い子どもさんたちなら、伸びるのではないか、

などの可能性を、私でも考えることができます。

 

最近のTEACCHについての文献の紹介は、後日記事にしたいと思います。

 

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参考

 

*1 

https://s3-eu-west-1.amazonaws.com/s3-euw1-ap-pe-ws4-cws-documents.ri-prod/routledgesw/books/9781138819511/companion_readings/Chapter_7_Autism_The_Early_Years.pdf

 

*2 本当のTEACCH 自分が自分であるために. 内山登紀夫.著.学研.

*3 自閉症児のための絵で見る構造化.佐々木正美.著.学研.

*4 自閉症のTEACCH実践.佐々木正美.著.岩崎学術出版社.