手術にならずに済んだ | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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 先日は下肢静脈瘤の手術をしたが、今日は別の総合病院の形成外科に行く。昨年末に右足の甲をぶつけてから、2センチくらいの大きさのこぶができていて、それが一向に治らないからだ。指で触ると固くて、はち切れそうなほどパンパンになっている。痛みはないが、素足でサンダルを履くと、そのこぶがサンダルに引っかかって履き心地が悪い。このまま、ずっとこれを放置しておくのはQOLが低下するので、手術で切開して取り除いてもらおうと決意する。脂肪腫かガングリオンかその正体はいかに……という感じだ。

 そうして、私と同い年くらいの形成外科医に診てもらう。触診の結果、脂肪腫ではないと医者が口にする。ただし、ガングリオンの確信もないという。依然として、こぶの正体は不明だ。

 こぶの正体を突き止めたいのか、手術して取り除きたいのか、どちらがお望みか?などと医者が聞いてくる。こぶの正体を知るためにはMRI検査をすることになるが、写真に写るかどうか分からず、写っても1枚くらいかもしれない、などと医者が言う。手術については、仮にこれがガングリオンだったら、手術をしても50%くらいの確率で再発するので、せっかくの手術が無駄になるおそれがあるという。

 ちなみに、医者はこぶを触診しながら、どうして処置していいものか迷っていた(どうしようか考え中です、などと私に述べる)。思いついた考えを私に話しながら、私の返答を待っている感じだった。私としては、こんなこぶをずっとつけたままでは嫌なので、取り除いてくれ、とだけ伝える。そこで医者は、注射を刺してこぶの中身を吸ってみよう、と提案する。手術はハードルが高いし、仮にこぶの正体がガングリオンだったら、その注射で吸い出すだけで処置できるという。チクッとして痛いだろうな、と私は思ったが、それでお願いします、と伝える。

 そうして、私は寝台の上に横になって、右足の甲を医者に向ける。医者が看護師に「18で」などと話している。注射針の大きさであろうか。

 チクッとしますよ、と医者は宣告してから、こぶに注射を刺して、その中身を吸い出す。しかし、ほとんど何も吸えず、注射針を刺した穴からドス黒い液体が流れ出る。そこで、医者は方法を変えて、注射針で穴のあいたこぶを指で強く押す。すると、血腫がそこから出てくる。ようやっと、正体が分かった。内出血して血がたまっていただけだった。数ミリくらいの大きさの血の固まりがいくつもこぶから押し出される。血液が古いので、色合いが赤ではなく黒に近い。

 結局、その4ヶ月物の血腫を医者に指で押し出してもらって処置終了となる。手術は免れたし、ましてやMRI検査などという大仰なこともしないで済んだ。診療費も1100円だったので、お財布にも優しかった。

 ホッとしたよ。

 あとは、爪水虫が完治したら持病はなくなるかな(今のところ、自力で爪水虫を治そうとしているが、諦めて皮膚科に行って飲み薬をもらおうかな)