『はいからさんが通る』が入り口だった | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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劇場版「はいからさんが通る」紅緒&忍のビジュアル公開!前編主題歌は竹内まりや&早見沙織
http://eiga.com/news/20170529/18/1/01/

↑俺の大好きな漫画が、ついに映画になる。
 これを言ってしまうのは、とても恥ずかしいことなのだが、この作品に出てくる伊集院少尉に憧れて、俺は昭5式(学生服のような詰め襟の軍服)のファンになった(大正時代が舞台だから、45式辺りなんだろうけど、昭5式と45式に、外観上の違いはそんなにない)
 そう、俺は、『はいからさんが通る』から入った日本軍好き(軍装方面について)なのだ。
 しかし、この素人的な入り方が、俺の能力のなさを、如実に表している。
 ミーハーだよな。
「2・26事件の決起将校たちが着ている昭5式を見て、そこから……」
 なんて言う方が、まだ格好がつく。
「少女漫画から入りました」
 というのは、正直、勇気がいる。
 ことに、軍装ファンと対峙(たいじ)せざるを得ないときに、そんなことを言ったら、即、ニワカ認定される(実際、ニワカなんだけどさ)
 しかし、しょうがない。
 実際に、伊集院少尉が着ている軍服って、考証面めちゃくちゃだし。
 これを好きといえる俺は、どうしたって、侮られる。
 しかし、軍装面の正確さなど、作品の内容とは、全く関係ないんだけどね。
 軍装世界の住人たちは、とにかく真面目だから、考証には、こだわる。
 例えば、このキービジュアルで、伊集院少尉が着ている軍服は、肩章が異様にデカくて、形が完全に崩れている。
 実物を見ないで描いていることが一目瞭然だ。
 明らかにおかしい。
 そして、謎の帯革?を締めている。
 完全な誤りとはいえないんだけど、将校は普通、将校用の胴締めを締めるか、何もつけないのが正解なんだ。
 かてて加えて、ご丁寧に、上衣にベルト通しがいくつかついている。不自然だ。
 あと、気になるところといえば、カラーがない。
 詰め襟の学生服を着たことがある人なら分かると思うけど、これをつけないと皮脂で服を汚してしまう。
 あえてカラーをつけない、一昔前の不良じゃないんだからさ、カラーをつけてほしかった。
 ……と、まあ、そんな風なケチをつけられる。
 しかし、俺は気にしない。
 『はいからさんが通る』――大好きだ。
 大正ロマンを感じさせる、諸種の作品の中で、一番愛している。
 一度でいいから、女学生が自転車に乗って坂道を下ってくるところに、馬に乗った紅顔の青年将校(俺)がそこを通りがかり、そして、女学生が胸をときめかす……的なシチュを味わいたい。
 完全に、妄想だけどね!