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前日に引き続き、今日はいよいよ刑事被告人として仙台簡易裁判所へ出頭の日。裁判所に駐車場はあるのだが、「ないから車で来るな」とのご沙汰。車で出掛け堂々と駐車場に入れようかとも思ったが、変なところでトラブルにならないよう、おとなしく近所のコインパーキングに駐車することにした(結局900円かかったが)。

 
 
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今日は一点の雲もなく、空にはきれいな青空がっている。こんな良き日に辛気臭い門を潜らなければならない因果を後悔しながら、家人から借りた6万円(これで間に合うかは不明だったが)を握り締めて出頭場所を捜す。
 
 
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「略式命令裁判場所」と表示すればいいものを、交通切符受付などと標記しているものだから、一旦は通り過ぎてっしまった入口。ここを降りると本日の断罪の場だ。
 
 
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ここでは「交通切符事件」ときやがった。受付に赤切符を見せると既に20人以上が本日の段取りの説明を受けていた。ややっ出遅れたかと後悔しながら、午前中いっぱいの待ちぼうけを覚悟した。
 
 
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そして渡された番号札がこれ。今日一日(被疑者)番号で呼ぶので悪しからずと書かれていた。被告人だからしょうがないし、病院の待合室みたいに「○○さ~~ん」とのけだるい雰囲気も似合わないので、これはこれでいた仕方ない。15分ほどして警察の係員からこの後の段取りの説明を受ける。即ち通常裁判で事実を争うのではなく、略式裁判で審理することへの同意を求められた。
 
 
 
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刑事被告人としては初犯だし、昨日もまじめに受講して満点取ったはずだし、過去4年間で無事故無違反なので60,000円で間に合うとは思ったが、いずれ家人に返さなければならない金なので待ち時間を利用して散歩がてら主要取引銀行に“大金”を下ろしに出かけた。
 
 
 
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1時間以上待たされて検察庁の道路交通法担当事務官と個別面談し、違反事実の日時・場所・違反内容・被疑者の住所・氏名・職業の確認が行われ、刑事被告人として略式命令に基づく罰金刑に服することで進めてよろしいかとの確認を求められた。戻ってきてもさらに1時間以上の待ちぼうけだったが、この間に昨日から気になっていた人物と再開し言葉を交わした。
 
彼は在日15年で在留資格のある中国人なので、日本の免許証は中国語で受験して取得したらしい。しかし今回の行政処分による講習後のテストは苦手な日本語表記のみだったために、マークシートを全部「はい」で答えざるを得なかった。結果、最低の点数となり免停期間は10日間に据え置かれたらしい。

救済措置があっても良いのにと慰めの言葉を交わしているころ、今度は裁判所の事務官からお呼びがかかり、略式命令の判決文が書かれてた
赤切符を返された。「主文 被告人を罰金60,000円に処する」適用法令は刑法18条、刑訴法348条とのことだった。罰金を振り込みにすることも可能らしかったが、ここは耳を揃えてすっきりしてやった。領収書は法務省主管で“懲罰および没収金の罰金および科料”という名目で仙台区検察庁名の領収書だが、領収印は何故か大河原区検察庁の印だった。何故だろうと考えつつも、眩しいシャバのお天道様と裁判所を拝みながら、罪を償った証を交通安全のお守りにしようと誓いを立てる刑事被告人であった。