猿若祭 二月大歌舞伎 | 藤間流日本舞踊教室 藤間明海「 日本舞踊と着物のおはなし」

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日本舞踊と着物の生活を、日々綴っています。
日本舞踊の楽しさや美しさを、どんどん発信していきたいと思います。





3月になりました!
春が近づいてきたようで嬉しい。
お稽古でも、ひな祭りの話をして、ひな祭りを踊ってみたりして、春を楽しんでおります。

先月歌舞伎座にでていた生徒が、お稽古に戻ってきたので、他の生徒さんに写真を見せたり、説明したり。
日本舞踊を習っていても、子供たちは衣装付での日本舞踊を見る機会は少ないので、こうして話すことで自分事に思ってくれるといいな。

先月の歌舞伎昼の部は、野崎村で幕開け。
日本舞踊ではお光狂乱という演目がありますが
お光さんの優しさや揺れ動く乙女心が伝わるお舞台でした。大根、ほんとに切ってたなぁ。

釣女 松羽目ものの、狂言らしい楽しい演目。
私の知ってる振付と違い、最後釣り竿につられていてこんな終わりもあるんだとお勉強になりました。

籠釣瓶は、勘三郎さん、吉右衛門さんでも観てきた作品。
勘九郎さんの狂気、凄まじかった。
そして、いつもはあまり感じないのに、勘三郎さんを思い出すところが似すぎていて、泣けました。
七之助さんは、何を観ても美しく、花があります。愛想尽かししてしまうのも、私的には世界一の間夫(仁左衛門さん)なので、仕方ないかと思ったり。
少し前に久松でかごに乗っていたのを忘れるくらいでした。お家元も憎らしい役でした。ほんとに。

この演目は幕開けの吉原の背景が美しい。
完全に暗転から華やかな吉原になるのは、歌舞伎ならではの素敵な仕掛け。
花魁道中も、3人でとても華やかで、歌舞伎も通常営業になったんだと、しみじみしてしまいました。
教え子はこの華やかな道中を体験させて頂いてよかったなぁ。
追善にふさわしい、よい作品ばかりでした。