役者のための日本舞踊教室 | 藤間流日本舞踊教室 藤間明海「 日本舞踊と着物のおはなし」

藤間流日本舞踊教室 藤間明海「 日本舞踊と着物のおはなし」

日本舞踊と着物の生活を、日々綴っています。
日本舞踊の楽しさや美しさを、どんどん発信していきたいと思います。




台風の影響が心配です。
東京でも時々、バケツをひっくり返したような雨が降りました。南国のスコールみたい。
傘が役に立たずにびっくりします。

さて、私が演劇科出身で、劇団で教えているせいもありますが、お稽古に来てくださるお弟子さんには、所作のために日本舞踊をしている役者さんが多くいます。
もちろん、踊り自体に興味はあるのでしょうが、着物や浴衣などの和装での動きが、お芝居の邪魔をしないためにはどうすればよいか?
着物を着たときの自分動きを考えてみるには、日本舞踊はとてもよいお稽古になります。

日本のお芝居でいえば、昭和より前はどうしても着物が出てくる。
着物で暮らしているはずなのに、着物が着慣れてなかったり、違和感があっては、お客様は到底その世界を楽しめない。
歩き方、襖の開け方、裾や袖の扱いなど、洋服とは違う感覚を養う必要があります。
自分の体の使い方を考えるので、はじめのうちは姿勢を保つのも難しいようです。

役者さんには、踊りは動きを美しくすることをメインにして、なるべくお芝居の役に立つように、時代背景や、装束の説明をしたり、和物の物言い、舞台行儀など、お芝居だけでは学びきれないことをお伝えしています。
お仕事のときに役に立ってることを祈って!
しかし、なかなか時間がかかるのが、日本舞踊の難しいところではあります。