即位礼正殿の儀 | 藤間流日本舞踊教室 藤間明海「 日本舞踊と着物のおはなし」

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日本舞踊と着物の生活を、日々綴っています。
日本舞踊の楽しさや美しさを、どんどん発信していきたいと思います。





昨日から降りはじめた雨は、明け方激しくなりました。
今日は世の中は即位の礼のための祝日。お祝いムードに包まれました。
即位の時間には、晴れて虹が出た!すごいなぁ。

着物を勉強している身としては、この儀式で着られる装束はめったにみられないものばかりで、わくわくします。
平安絵巻がタイムスリップしたようです。

高御座にいらっしゃる天皇陛下は御束帯。
黄櫨染御袍で、この色は陛下しか身につけることができないお色です。
柄は桐竹鳳凰麒麟紋!教本で勉強した通りでした。
御帳台には皇后陛下。こちらは女房装束と言われる十二単。
十二単は、五衣、唐衣、裳で構成されていて、表着には、おしるしの白樺が施されていたそうです。
十二単の下は長袴です。それだけでも大変なのに、たくさんの衣を重ね、その色目を楽しむ装束です。ほぼ一本の紐でとめられている、着せるにも難しい装束なのです。

昨年、京都御所に行った時に、「高御座と御帳台は来年の即位のために東京に!」と聞いて、なんだか即位はまだまだ先だと思っていたのに…。
残念ながらこの時みられなかったので、東京で年末に見られるのを、楽しみにしています。

その他の皇族の皆様も、お立場で色や、柄の異なった装束をお召しになっていて、とても興味深くみることができました。

今回は子供のお稽古の時に、束帯と十二単の着付けについて話したりしたので、興味をもってみてくれていたらいいなぁ。

平安時代の装束は、長く戦がない時代だったために、とても雅で装飾も染色技術も素晴らしい。
戦国時代には、装束はどんどん簡素になっています。

このような素晴らしいものを今後に残していくために、平和でないといけないのです。
芸術も文化も、平和のもとに成り立っているのです。