

日差しの強さに、夏の暑さはこんなだったと、身体の記憶を呼び起こされるような毎日です。まだ5月なのに…。
先日、上野の東京都美術館で開催された「染芸展」に行ってまいりました。
東京手描友禅の作家さんたちによる作品展であり、コンクール。伝統を大切にしながらも、それぞれの感性や世界観が表現された作品が並び、着物という枠を超えて、一つの工芸作品として楽しめる展示会です。
友禅というと、京友禅や加賀友禅が有名ですが、東京友禅もまた日本三大友禅の一つ。
東京手描友禅は、下絵から糸目、色挿しまでを一人の職人が手仕事で行うのが特徴で、江戸らしい粋な色使いや絵画的な表現に魅力があります。
今年は例年より会期が遅く、5月開催だったこともあり、会場には夏物や涼やかな雰囲気の作品が多く並んでいました。訪問着よりも帯の作品が多かったのも印象的でした。
私の友人のお母様である田邊慶子先生は、東京手描友禅の作家として、伝統工芸士としてもご活躍されています。
思わず着てみたくなるような、かわいらしさと個性のある作品をいつも制作されていて、この日もバッグとお揃いのカバの帯がとても素敵でした。しかも移動の際にはスニーカーを合わせていらして、その自然なおしゃれさに、いつお会いしてもセンスの良さを感じます。
今回は、長く着続けられそうな上品な訪問着と、波や水の流れを表現した美しい帯を出展されていました。柄に込めた思いや制作のお話、お客様の感想を伺いながら、着物の世界の奥深さや遊び心を改めて感じました。
次回の開催は少し間が空いて、再来年の1月とのこと。
季節が変われば、また違った作品に出会えるのだろうと、今から楽しみです。