今日は、東京では、

お盆の入りですね。

迎え火を焚き、
亡くなったご先祖さまを、
この世にお迎えする日。

「迎え火」というのは、
故人が、
おうちに戻ってくるとき、
迷わないように火を炊くことです。

この迎え火で、
わたしは不思議な体験をしたことがあります。

もう、30年前のことですが、

父が亡くなって、
はじめてのお盆。

「新盆」といって、
亡くなってはじめて、
あの世から家族に会いに来るので、
盛大に行うことになっています。

でも、その頃、わたしは、
スピリチュアルなことに全く興味がなく、
また、声優の仕事が忙しく、
恥ずかしながら、新盆のことを
すっかり忘れてしまいました。

早朝から声優の仕事がいくつも重なり、
疲れてしまったわたしは

「タクシーで家まで帰るか…」

とタクシーに乗って、
マンションまで帰ろうとしていました。

その頃住んでいたマンションは、
高円寺にありました。

車に乗ると、
ちょうど中野にある実家を
早稲田通り沿いに通り過ぎることになります。

いつもはスムーズに進む道なのですが、
その日に限って大渋滞。

ちょうどわたしの実家近くで、
車が本当に、全く動かなくなりました。


「仕方ない。実家に寄って、ひと休みするか…」

とタクシーを降りて、

実家の裏口にむかうと、

「あー!来た!来た!待ってたのよ!」

と、家族の声が…。

数日前に母親から、


「お父さんの迎え火を炊くから、
18時くらいに、実家に寄ってね」


といわれていたことを、
すっかり忘れていたのです。


家族揃って、迎え火を焚きました。


迎え火は、「おがら」という
麻の葉の皮をむいた芯の部分を燃やします。

麻は、空間を清める力があるとされています。

また、このおがらは、

きゅうりとナスに、足のようにさし、
精霊馬として故人がこの世に戻ってくるための、乗り物としてお供えします。

おがらを積んだところに火をつけ、

その火の上をまたぎました。

「お父さん、お帰りなさい。

わたしに迎えて欲しかったんだね。

ごめんなさい。」

こころの中で声をかけました。



わたしには霊感がない、
幽霊を見たことない

という方でも、

家族の亡くなったことがわかったり、
亡くなってから気配を感じたり…

身内に関しては、
何か不思議な体験をしたことがある人は多いものです。

その頃のわたしも超現実派でしたが、

この迎え火の出来事では、

亡くなった父の霊魂が、
わたしの足を止めたことをはっきりと感じました。

今年もお盆の時期となりましたね。

亡くなった方に思いを寄せる日を、
あなたはどう過ごされますか?