『紫陽花』
紫陽花は、その花の形が、蜂の巣に似ていることから、
蜜を集めるとして、
金運アップのご利益があるとされた。
また、水を吸い取ることから、トイレに吊るすと、
一生下の世話にならないとの言われもある。
日本では古くから紫陽花を、縁起植物として飾る風習がある。
場所によっては、6月の6のつく日に、または土用の丑の日に、
紫陽花を逆さに吊るして半紙に包み、
紅白の水引きをして玄関先に吊るすと、
厄除や金運を招き入れるといわれている。
その花は、仏の土地に植えられました。
雨の季節に咲くから、
その季節には、多くの方が病にかかるから。
雨を吸って咲いたかのような、
淡い彩りの花びら。
あなたの心模様と似ているかもしれません。
涙を吸って咲いている、
あなたの心。
晴れることのない空のように、
ただ、悲しみの中で、
ひっそりと佇んでいます。
あなたは
たくさんの花びらを数えるように、
たくさんの思い出を数えています。
ひとつひとつが、捨てられない情景。
出会い。
抱きしめ合うぬくもり。
何気ない会話。
疑いの芽。
諍い。
そして、
別れの場面すらも。
どれもが、愛おしい日々。
雨の季節を終えると、
その花は、幸運を呼ぶ花として、
家に飾られます。
悲しみを遠ざけ、豊かさを呼ぶと言われて。
あなたの心の悲しみも、
きっと同じ。
いつかきっと、その涙が、
あなたに与えてくれます。
強さと豊かさを。
その花の名は、紫の陽の花。
あなたは知っています。
陽の光の色は、ひとつではないことを。
多彩な色が重なり、
美しい時のメロディーを奏でることを。
そしてそれを、人生と呼ぶことを。