野田MAPのお芝居「エッグ」を見ました。
頭の中がしびれるほどの感動でボーとしてしまいました。
作、演出、出演の野田秀樹さんの天才ぶり。
妻夫木聡さん、深津絵里さん、仲村トオルさん・・豪華俳優陣が、自分のキャラクターを120パーセント生かした演技。
それを見ていて、わたしは、ある俳優さんのことを思い出しました。
わたしの演劇のスタートは、文学座という劇団の、付属養成所です。
同期には、山下真司さんや、松沢一之さんがいます。
山下さんは、その頃から「スターになる!」と思わせる、華やかな存在でしたが、
松沢さんは、ここだけの話、本当に劣等生でした。
演出家にしょっちゅうダメだしをされ、みんなにいじられても、言い返せない。
シャイで、典型的な「いい人キャラ」。失礼ですが、ダメっぷりが際立ってた印象だったんです。
劇団というのは、劇団員になるまでに、何回かの査定があり、ふるい落とされていきます。
松沢さんは、「絶対無理だろうな」と思っていたら、案の定、不合格だったんですね。
で、文学座を離れ、どこに行ったかというと、当時、野田秀樹さんが主宰する「夢の遊眠社」
そこからの活躍は、ご存知のとおり。
ダメな、気の弱いキャラクターで、ブレイク。
最近では「クイズヘキサゴン」などバラエティーでも引っ張りだこ。同期の中では、出世頭です。
「自分の強みを生かせ」というのは、経営学者ドラッカーの教えですが、
その「強み」というのは、自分が思っているものとは全然違う部分だったりします。
たとえば、自分の弱みだったり、恥だったり、変態なところだったり、触られたくないところだったり・・。
その強みを見出してくれる人との出会い。
そして「そこが強みだ!」と見出されたときに、思い切りその部分を開示する腹のすわり方。それこそが、人生の活路を開いてくれる。
野田さんの芝居は「物事は、目に見えているものが真実とは限らない」という怖さを感じさせるものでしたが、
芝居を見ながら、松沢さんのことまで思い出し、わたしも、「今、自分の人生の現実に、見えていることが決定項」と捉えるのはやめよう、と思ったりもしたのでした。
28日まで。東京芸術劇場で、当日チケットあるそうです。おススメですよ!
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