「トロッコわっしー号」の概要

「トロッコわっしー号」はわたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線の桐生から間藤で運行されているイベント列車です。

わたらせ渓谷鐵道は元々客車を使ったトロッコ列車を運行していましたが、整理券が完売することが多かったため自走式のトロッコ車両で運行されているのが「トロッコわっしー号」です。

乗車するには乗車券と整理券520円が必要です。

 

「トロッコわっしー号」の停車駅


「トロッコわたらせ渓谷号」は機関車の機回しを行うため、大間々から足尾での運行となっていますが、「トロッコわっしー号」はわたらせ渓谷線全区間を走行します。

大間々から足尾までの停車駅は「トロッコわたらせ渓谷号」と一緒です。

 

「トロッコわっしー号」の使用車両

 

「トロッコわっしー号」にはWKT-550形気動車が使用されています。

2011年に普通列車用に導入されたWKT-500形気動車をベースに製造されたトロッコ車両です。

トロッコ車両ですが、雨天時や冬季は窓を設置できるようになっています。

車内はテーブルを備えた木製のボックスシートが設置されています。

 

乗車レポート(2024/04/06)

この日は通洞から相老まで乗車しました。

通洞を過ぎるといきなり見どころが進行方向の右側に現れます。

ここでは足尾銅山の選鉱場と鉱山住宅を見ることができます。

ここまで大規模な鉱山の施設が残っているのもなかなか珍しいと思います。

足尾周辺には足尾銅山に関する施設が数多く残っており、廃墟マニアにとっては聖地かもしれません。

 

しばらく進むと列車は渡良瀬川を渡り、進行方向の右側に渡良瀬川が見えるようになります。

ここから沢入までがわたらせ渓谷線随一の絶景区間となります。

この区間はまさに「わたらせ渓谷」と呼べる場所で、白御影石と透明度の高い綺麗な水が美しいです。

列車は渡良瀬川の渓谷に沿ってゆっくりと進んでいきます。

 

わたらせ渓谷線こと足尾線は渡良瀬川の流れに沿って線路が敷かれているため、川がカーブすれば線路もカーブしています。

そのうち坂東カーブと呼ばれるカーブは国鉄最急カーブと言われていました。

 

沢入を発車すると列車は再び渡良瀬川を渡り、草木トンネルと呼ばれるトンネルに入ります。

このトンネルは全長約5kmの長大トンネルとなっています。

元々線路は川に沿って敷かれていましたが、草木ダム建設のために長大トンネルを掘って線路が付け替えられました。

「トロッコわっしー号」ではこのトンネルを走行している間は車内の照明を消し、イルミネーションが点灯してます。

この長いトンネルを抜けると神戸(ごうど)に到着します。

駅周辺の桜はちょうど見ごろでした。

この駅には東武鉄道のデラックスロマンスカーの車両を使用したレストランがあることでも有名です。

 

草木トンネルに入る手前で渡良瀬川を渡ってから、渡良瀬川は進行方向の左側に見え再び渡良瀬川を渡ることはありません。

渡良瀬川も中流域に入り川幅も広く、河原の石も小さくなります。

 

次の見どころは上神梅駅です。この駅は停車こそしませんが、大正時代に建てられた古い木造駅舎が残っています。

登録有形文化財にも指定されており、列車はゆっくり通過します。

 

しばらく進むと列車はわたらせ渓谷鐵道の拠点駅である大間々に到着します。

ここまでくると列車は市街地の中を走るようになり、上毛電鉄の築堤をくぐると東武鉄道との乗換駅である相老に到着します。

 

総評

乗車時間: ★★

スピード感:★★

車窓:   ★★★★

わたらせ渓谷鐵道を名乗るだけあり、渡良瀬川の渓谷美はなかなかのものでした。

特に原向から沢入の区間は非常に素晴らしかったです。ゆっくりなスピードもそこまで気になりませんでした。

一方、4月の上旬に乗りましたが非常に寒かったです。

出来れば窓付きの車両を連結してほしかったです。