特急「しらゆき」の概要
特急「しらゆき」は新井・上越妙高から新潟を結ぶ特急列車です。
「しらゆき」の前身の前身は長野から新潟を結んでいた特急「みのり」でしたが、この「みのり」はわずか5年ほどで廃止され、新井から新潟の間で快速「くびき野」が運行を開始します。
この「くびき野」は特急車両である485系を使用しており、停車駅も特急と殆ど変わらない超乗り得列車でした。
2015年3月に「くびき野」の特急格上げと、この年開業した北陸新幹線の上越妙高と新潟の各都市を結ぶ列車として特急「しらゆき」が運行を開始しました。
▲北陸新幹線金沢延伸直前にリバイバル運転された特急「みのり」。
▲新潟各都市を結んでいた快速「くびき野」。
特急「しらゆき」の停車駅
特急しらゆきは1日4往復運行されており、2往復が新井発着、もう2往復が上越妙高発着となっています。
また春日山駅には1往復ずつ停車します。
直江津から新潟までの停車駅は前身の快速「くびき野」とほとんど変わりません。宮内に停まるか停まらないかの差です。
特急「しらゆき」の使用車両
特急「しらゆき」ではE653系1100番台が使用されています。
E653系は元々常磐線特急の「フレッシュひたち」で使用されていた車両で、4両編成の付属編成が種車となっています。
「しらゆき」ということで白をベースにした塗装となっており、日本海をイメージした紫と夕日をイメージした朱色のラインが加えられています。
乗車レポート(2024/03/07)
この日は新井発新潟行きの「しらゆき3号」に乗車しました。
北陸新幹線からの乗り継ぎのため、上越妙高からの乗車となりました。
・上越妙高~直江津
直江津まではえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインを走ります。
元信越本線の一部だったためか、単線の割にスピードを出しているなという印象でした。
左側には妙高の綺麗な山並みを見ることが出来ます。
「妙高はねうまライン」の名前の由来となっている跳ね馬は確認できませんでしたが、とにかく綺麗でした。
・直江津~柏崎
直江津からJR東日本信越本線となるため、乗務員交代で直江津に数分間停車します。
かつて直江津は日本海縦貫線を代表する主要駅として、多くの優等列車が停車していましたが現在停車する定期優等列車はこの特急「しらゆき」のみです。
特急「しらゆき」の最高速度は120km/hと結構速く、直江津を過ぎてからは大体の区間で100km/h以上は出している印象でした。
快速列車の最高速度は100km/hに制限されているため、快速よりも所要時間が10分短縮されています。
柿崎を過ぎるといよいよ特急「しらゆき」屈指の絶景ポイントに差し掛かります。
高田平野と越後平野の間は急峻な山で阻まれており、信越本線は海岸線ギリギリに線路を敷いています。
そのため、日本海を間近に眺めることが出来ます。
写真だけ見ると海岸に立っているかのようです。
このような海岸線を走る場合列車は速度を落としがちですが、特急「しらゆき」はそこそこの速さで通過します。こんな体験は「しらゆき」でないとできないと思います。
また、この区間は昭和時代に改良が行われたようで、長いトンネルの脇には昔使用されていた古いトンネルを見ることが出来ます。
柿崎を過ぎて約10分経ち、鯨波駅を過ぎると海は見えなくなります。
この区間に特急「しらゆき」の魅力の8割が詰まっているといって良いでしょう。
・柏崎~新潟
主要駅である柏崎から長岡までは山越え区間となります。
そこまで険しい山越えではありませんが、この区間だけまともに雪が残っていました。
次第に住宅が多くなり、宮内で上越線と合流すると長岡に到着します。
新潟県第2の都市の代表駅だけあり多くの乗り降りがありました。
長岡から終点新潟まではひたすら越後平野の中を突っ切っていきます。
日本屈指の米どころであるため、車窓には一面の田んぼが広がっています。
東北地方同様駅の無い所には田んぼしかありません。
新潟らしい光景なのですが、終点新潟手前までこんな感じの光景がずっと続きます。
越後平野の中を110km/hくらいのスピードでぶっ飛ばしながら終点新潟に到着します。
総評
乗車時間: ★★★
スピード感:★★★★
車窓: ★★★
上越妙高から新潟まで所要時間は約2時間とそこまで長い距離を走りませんが、平坦な区間が多いため全体的にスピードを出していた印象です。ここは流石天下の信越本線といったところです。
車窓は柿崎から柏崎の海岸沿い区間は超絶景ですが、それ以外の区間は普通です。
特に長岡から先はずっと田んぼが続くため寝るかもしれません。
車内チャイムはひたちチャイムが採用されており、他の路線との乗換駅の発車後には鳴らしていました。
お勧めの座席は海側のCD席です。