特急「つがる」の概要

特急「つがる」は秋田から青森を結ぶ列車です。

「つがる」の名前は元々八戸から弘前を結ぶ特急列車に使用されていましたが、東北新幹線の新青森延伸に伴い廃止されました。

一方、秋田から青森を結ぶ列車は「かもしか」として運行されていましたが、この「かもしか」を置き換える形で現在の「つがる」が登場しました。

 

 

特急「つがる」の停車駅

※2024年3月現在

特急「つがる」は2023年まで3往復運行されていましたが、2024年に1往復が停車駅を絞った「スーパーつがる」が爆誕しました。

「スーパー」を冠する特急列車が減少傾向にある中で、「スーパー」を冠した特急が新たに誕生したと大きな話題となりました。

元々秋田から青森の特急需要は少なく、「かもしか」時代から1日3往復しか運行されていませんでした。

廃止の噂も取り沙汰されましたが、このようなテコ入れが行われることはいいことです。

 

停車駅は多めに設定されており、全区間を乗り通す需要と短距離の需要を拾っているようです。

一方のスーパーつがるは基本的に市の代表駅クラスの駅にしか停車しておらず(特に秋田県内)、従来のつがるに比べ約10分所要時間を短縮しています。

 

 

特急「つがる」の車両

特急「つがる」にはE751系が使用されています。

E751系は2000年に盛岡から青森を結ぶ特急「スーパーはつかり」用の車両としてデビューしました。

当時は6両編成でしたが、その後紆余曲折あって4両編成に短縮されました。

4両編成ですが、半室グリーン車を備えています。

デザインはなんとなくE653系に似ています。登場時期がほとんど一緒なので似ているのは必然かもしれません。

また、JR東日本では唯一の交流区間専用の特急車両となっています。

 

 

乗車レポート(2024.03.08)

・秋田~東能代

この日は秋田発青森行きの特急「つがる1号」にで弘前まで乗車しました。

特急「つがる」はガラガラというイメージがあったのですが、キュンパス適用期間ということもあり、2号車の指定席を予約しましたが、自由席でもよかったかもしれません。

しかし、それなりに人は乗っているという印象でした。

人がたくさん乗っていたので車内の写真は撮っていませんが、同時期に製造されたE257系やE653系とほとんど同じような内装でした。

 

秋田発車後車内チャイムとして「ひたちチャイム」が流れました。

元々「フレッシュひたち」で使用されていたE653系でこのチャイムが流れるならまだしも、「ひたち」となんの関係もないE751系で「ひたちチャイム」が流れる理由はよく分かりません。

 

秋田発車後はしばらく秋田市の市街地を走ります。土崎駅の近くでは秋田総合車両センターの様子を観察することが出来ます。

八郎潟駅に近づくと名前通り八郎潟に沿って走ります。

かつては日本で2番目に大きな湖でしたが、干拓によって現在は県内屈指の稲作地帯となっています。

今日はよく晴れていたので、男鹿半島にそびえる寒風山も見えました。

 

なお、特急「つがる」の最高速度は95km/hでそこまで速い列車ではありません。

ですが、ジョイント音が素晴らしい区間がいくつかあるので、そこは乗っていて非常に楽しかったです。

 

・東能代~大館

五能線が分岐する東能代駅を過ぎると、奥羽本線は東に進路を変え、米代川に沿って走ります。

しばらく走ると、田んぼの奥に綺麗な山並みを眺めることが出来ますが、これは白神山地です。

世界自然遺産に登録されている白神山地ですが、冬に見ると一段と素晴らしいです。

しばらくすると周囲の山に隠れるため、見逃さないようにしましょう。

東能代から大館までは山越え区間となりますが、そこまで険しい区間ではありません。

 

・大館~弘前

秋田からやく1時間半弱で主要駅の大館に到着します。

大館駅ではご当地発車メロディが採用されており、下り列車では「きりたんぽ物語」のメロディが流れます。

哀愁のあるメロディで個人的にはかなり好きです。

大館を過ぎると県境越え区間となり、最も険しい山岳区間となります。

これまでほとんど雪は積もっていませんでしたが、県境部分に近づくとさすがに雪が残っていました。

県境にそびえる矢立峠を貫くトンネルを抜けると青森県に入ります。

青森県内はまだまだ雪ががっつり残っており、ここから先雪が途切れることはありませんでした。

山を越えリンゴ畑が見えてくると津軽平野に入り、主要駅の弘前に到着します。

 

・弘前~青森
この日は弘前で降りましたが、この後普通列車で青森まで向かったので、車窓の案内をします。

撫牛子を過ぎたあたりから津軽地方のシンボルである岩木山(津軽富士)を進行方向左手に見ることが出来ます。

畑の中を走っているため障害物がなく、裾野までくっきり岩木山を眺めることが出来ます。

奥羽本線屈指の絶景ポイントではないでしょうか。

また、右手には八甲田山を見ることが出来ます。

 

大釈迦を過ぎると、大釈迦峠に差し掛かります。

津軽平野と青森の市街地を遮る峠となっており、長い大釈迦トンネルを抜けると青森市の中心地へ向かいます。

新幹線の高架が見えると新青森、津軽線と青い森鉄道線の線路が合流すると終点青森に到着します。

かつて多くの優等列車が発着していた青森駅ですが、現在は特急「つがる」が青森駅に停車する唯一の優等列車となっています。

 

 

総評

乗車時間: ★★★

スピード感:★★★

車窓:   ★★★★

 

秋田から青森までの所要時間は約2時間半とそこまで長い距離を走る特急ではありませんが、北東北の名だたる山を見ることができ、意外と景色の良い列車でした。

冬の晴れた日に乗ると最高だと思います。

お勧めの席はCD席です。寒風山、白神山地、岩木山を見ることが出来ます。

期待以上に楽しめた列車でした。 

nosh(ナッシュ)