373系

373系は1995年にデビューしたJR東海の特急型車両です。

373系は静岡から甲府を結んでいた急行富士川を特急に格上げするために導入されましたが、特急のみならず普通列車にも使えるマルチな車両として設計されました。

基本仕様

373系は全編成が3両編成でクモハ373形、サハ373形、クハ372形の1M2Tで編成が組まれています。

ローカル線区での運用が多く、普通列車での運用も考慮されているため、グリーン車を連結しないモノクロス編成となっています。

カラーリングはJR東海車標準の白顔、オレンジライン、ステンレス車体です。前照灯は上下合わせて4灯、テールライトは2灯です。

客用扉は特急型車両としては異例の両開き扉を採用してます。現在JRの特急車両でこの方式を採用しているのは373系だけです。また、ドアは半自動方式を採用しています。キハ85形、383系のように非貫通扉車は無く、前面の幕は貫通扉上に設置されています。側面の幕は2つあり、1つは種別、行き先、もう一つは座席の種別を表示します。

 

主な運用

・特急ふじかわ

静岡から甲府を結ぶ特急列車です。

373系がデビューした列車で、現在1日7往復運行されています。

373系のメインの仕事と言えます。

全区間の所要時間はおよそ2時間15分です。

 

特急伊那路

豊橋から飯田を結ぶ特急列車です。

全区間が線形の悪い飯田線を走っており、日本一の鈍足特急と言われています。

現在1日2往復運行されています。

全区間の所要時間は約2時間30分です。

 

・ホームライナー浜松・静岡・沼津

東海道本線静岡地区で平日の朝夕に運行される列車です。

普通乗車券と着席整理券330円を払えば乗車することができ、青春18きっぷでも乗ることが出来ます。

3両もしくは6両編成で運行されています。

主要駅にしか停車しないため、長距離の移動には便利です。

 

・特急東海

東京から静岡を結んでいた列車です。

新幹線が停車しない主要駅に停車し、新幹線の補完輸送を担っていましたが、2007年に廃止されました。

 

・快速ムーンライトながら

東京から大垣を結んでいた夜行列車です。18切符ユーザーにはお馴染みの列車で、当時は9両編成で運行されていました。

2009年に臨時列車化されるにあたり運用から撤退しました。

運用撤退後も東京から静岡を結ぶ普通運用は続いていましたが、こちらも現在は廃止されています。

 

この他、最近ではその汎用性を活かしてJR東海各地の臨時列車、イベント列車に使用されています。

快速さわやかウォーキング号に使用されている373系。

 

車内の様子

デッキ部分。373系最大の特徴である仕切られていないデッキです。

壁が設置されているのみで、デッキと客室を隔てるドアは設置されていません。

こちらも373系の特徴である両開きドアです。

窓の形や化粧扉は普通車両に比べ凝ったデザインとなっています。

半自動ドアも搭載しています。

客室の様子。

ワイドビュー車両らしく大きな窓が特徴的です。

普通車シート。

特急車両らしくリクライニングシートとなっています。

テーブルは手すり格納式で、フットレストが設置されています。

2号車と3号車の車端部に設置されているセミコンパートメント席。

真ん中に巨大な机が設置された4人掛けのボックスシートで、少しプライベートな空間を楽しめます。

特急列車では指定席として販売されています。