つたないブログにご訪問頂き

真にありがとうございます。

 

前回の続きであります。

 

森田博士の時代

森田療法は入院療法をメインに

行われていたとのことです。

ただその環境は

病院というよりも

日常生活の中で

「いまに生きる」

態度を身につけていく

実践的修練であったといえます。

 

そのステップは4つに分かれ

1.絶対臥辱(ぜったいがじょく)期

2.軽作業期

3.作業期

4.社会訓練期

となっており

内観を深めざるを得ない環境に身を置き

段階的に内発する

「動きたい」

という欲求に従って

目の前のやるべき動きの中に

「ふっと入っていく」

これを繰り返し 繰り返し

体感することで

浮かんでくる不安や囚われを

そのまま感じながらも

いまここにいる

行動ができるようになっていきます。

 

とても興味深いのは

1.絶対臥辱期

です。

1週間、読書、テレビ、電話(今はスマホ)

を禁じ、いわゆる「気晴らし」できない

状況で ただひたすら横になって寝ている

状態のことです。

 

はじめのうちは、

横になっていることで

身体の休息となりますが

次第にいろいろな

囚われや不安におそわれ

その中に身を置くことで

内観を深めざるを得なくなっていく

ところにあります。

 

この時期に

不安や囚われを感じながらも

動きたい感覚

が芽生えてきて

いわゆる

インサイドアウト

自然な欲求を

頭ではなく

感覚的につかんでいきます。

 

この感覚を

次のステップの

軽作業期

作業期での

動きの修練の際に

伸ばしていくのです。

 

動きの中で

内側から来る

自然に服従し

外側から来る

境遇に従順となる

 

この感覚こそが

極めて興味深い

自由無碍(じゆうむげ)にも

通ずる境地とでも

いいましょうか。

 

ただ、現代の生活の中で

気晴らしを排し

絶対臥辱の状態に身を置く

というのは極めて難しい

と思われます。

 

よほど

それに近い状況に・・

身を置かざるを得ない・・

その中においてのみ

得られる境地

なのだと実感しております。