1 任意後見契約の終了原因

(1)任意後見契約の解除

(2)任意後見人の解任

(3)本人または任意後見人(受任者)の死亡

 

2 終了の登記の必要性

(1)任意後見監督人の選任後の終了の登記の必要性

 任意後見監督人が選任され、任意後見契約の効力が生じた後に任意後見契約が解除などにより終了したにもかかわらず、任意後見契約の終了の登記をしないで放置しておくと、事情を知らない者に代理権が消滅したことを主張できません。

 

 従って、取引の相手方が善意であれば、本人は任意後見人であった者が代理する権限なしで行った取引の効果について責任を負わなければならなくなります。

 

(2)任意後見監督人の選任前の終了の登記の必要性

 任意後見監督人を選任する前に解除などにより任意後見契約が終了した場合には、まだ任意後見人の代理権は生じていませんから取引上の問題は特に生じませんが、本人や任意後見受任者は終了の登記を申請しなければなりません。

(任意後見契約法8条2項)

 

3 裁判所書記官の嘱託による終了の登記

 裁判所書記官は、任意後見人の解任の審判が確定したとき又は任意後見監督人が選任されて任意後見契約が効力を生じた後に任意後見契約の本人について法定後見の開始の審判が確定したことによって任意後見契約が終了したときは、任意後見契約の終了の登記を嘱託します。