1 既成条件(民法131条)

(1)既成条件とは、条件の成否が法律行為の時に既に確定している場合です。

 

(2)法律行為の時に既に条件が成就していた場合、停止条件の時は無条件であり、解除条件の時は、無効になります。

 (民法131条1項)

 

(3)法律行為の時に既に条件が成就しないことが確定していた場合、停止条件の時は無効であり、解除条件の時は無条件になります。

 (民法131条2項)

 

2 不法条件(民法132条)

(1)不法な条件を付した法律行為及び不法な行為をしないことを条件とした法律行為は無効になります。

 (民法132条)

 

(2)例えば、債権者が抵当権設定登記を抹消した時に限って供託物を受領できることを条件とする供託(大判18年9月29日)や、名誉毀損の行為をしないことを条件として金員を交付する契約は無効となります。

 

3 不能条件(民法133条)

(1)不能条件とは、将来において実現が不能である事実を条件とするものです。

 

(2)不能である事実を条件とする法律行為は、その条件が停止条件か解除条件かによって法律行為の効力が異なります。

 

(3)不能の停止条件を付した法律行為は、無効です。

 (民法133条1項)

 

(4)不能の解除条件を付した法律行為は、無条件に有効になります。

 (民法133条2項)

 

4 随意条件(民法134条)

(1)停止条件付法律行為

 ➀条件が単に債務者の意思のみにかかる時は、その法律行為は無効になります。

 例えば、AB間で「Aの気が向いたらA所有の腕時計をBに与える」旨の契約は無効となります。

 

 ➁条件が債権者の意思のみにかかる時は、その法律行為は有効です。例えば「AはBが欲する時はA所有のパソコンをBに与える」旨の契約は有効です。

 

(2)解除条件付法律行為

 ➀条件が債務者の意思のみにかかる場合でも、有効になります。例えば、贈与契

約に「受贈者が欲する時は贈与した物を返還する」旨の条件を付したとしても、その贈与契約は有効となります。

 

 ➁条件が債権者のみにかかる場合も有効になります。例えば、贈与契約に「贈与者が欲する時は贈与した物を返還する」旨の条件を付す場合です。